昨日の続きになりますが、空間の変化というと、なんだか特別なことように聞こえてしまうかもしれませんね。
ただ、昨日書いたように、頭の向きによって「感じがいい」とからだにききわけられたり、それによって呼吸の変化に気づいたりすることも、空間の変化を感じとっているということにつながっていると思うんです。
初めて臨床を受ける方も、頭の向きによって感じが変わるということは案外感じていただけることでもありますし、子供なんかも面白がって「こっちがいい」と応えてくれるものです。
むしろ、子供の方が「そんなことあるわけないよ」という先入観がないので、素直に感じとってくれたりするのかもしれません。
試しに、くすぐったがりで鼻が詰まっている子に、頭の向きをからだにききわけてもらい、「感じがいい」向きを確認する。
「感じがいい」と感じられなかった方向に頭を向けてひかがみ(膝の裏スジ)にふれたときは、とてもくすぐったがるのに、「感じがいい」と感じられた方向に頭を向けてひかがみにふれると、くすぐったがらなくなる。
ふれたときに伝わってくる力感も変わるので、「感じがいい」とききわけられている向きではからだも本人もゆるんで、こちらのアプローチを受け入れてくれるようになる、という感触があります。
また、「感じがいい」向きでは「息がしやすくなる」とのことでしたので、呼吸のとおりも、力み(リキミ)とゆるみに関係していることがうかがえます。
これは一つの例として挙げましたが、からだが空間の変化をききわけているということを、自分たちも呼吸や感覚の変化をとおして、気づいていくことができることを示していると思います。
臨床も生活も空間でのできごとです。
その空間との関わりにおいて、からだにとっても自分にとっても悦びとなるような生かし方がある。
そのようなことを学んでいると、臨床も生活も生きた「からだの学習」の場であると、確かな感触が生まれてくるのです。
2024年春季東京操体フォーラム開催致します。