東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

セックスから学ぶ臨床

3、4年前に体調を悪くした時に体のケアである治療院に通っていたのだが、
ある日会計を終えて帰ろうとすると奥の方から

「殺されるかと思ったわよ!!!!」 と怒号が店内に響く。

何事かと思い恐る恐るその声の主を覗いてみると40歳位の女性だった。

当時の私からすると少しヒステリックな人がただ日頃のストレスを発散するためクレームを出しているだけだと思って客観的にそのやり取りを見ていたのだが今になって振り返ってみると彼女の言っていた事は今になり無視出来ないものとなった。

今の私は未熟ながらも一人の臨床家として治療をする側の人間になった。
その立場から当時の事を思い返すと施術者に大きく2つの問題があったと考えられる。

1つは患者に「からだに聞き分けてもらう」ことをしなかったことである。圧の強さだったり、今の気分を患者に聞くだけでも変わってくると思う。自分の感覚で治療をしてしまう習慣があることに問題があったのではないでしょうか?

2つ目は女性の体を診る時の意識である。
私はまだ、臨床経験が浅い為か正直、女性の患者を診るのに少し怖さがある。
女性の体は男性と比較してもその筋肉、皮膚はとてもしなやかで例えるなら
「蝶の羽」のようである。
子供の時によく捕まえた事があるが細心の注意を払って捕まえないと羽は取れてしまった記憶があるが女性の皮膚もそれに似た感覚がある。
そして皮膚も生き物で呼吸をしている以上「生」と「性」を持っている。つまり「愛」を持って触れなければいけないと思う。
それは人がSEXをする時と同じで自分の宝物を触るかのように大事に愛を持って触れるべきだと私は考えています。
結論をいうと臨床もSEX同様に相手の愛、命を感じ「調和」していかなければいけないのだと思うのです。
それは施術者が「患者の体を診る」という意識ではなく、「患者の体を診させて頂く」という意識を持って臨床に望むべきだと思います。

まだまだ勉強をしなければいけない事がたくさんありますがいついかなる時もこの意識を持って臨床に望んでいきたいと思います。


東京操体フォーラム in 京都2011 は8月28日(日)に開催されます。北村翰男(奈良漢方治療研究所、奈良操体の会)、三浦寛

Sotai Forum in Madrid(2011)は、9月24日、25日の二日間、マドリードにて開催致します。三浦寛

2011年秋季東京操体フォーラムは11月6日(日)、東京千駄ヶ谷津田ホールにて開催予定です。