東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

そいつとそれ その4


操体(法)にはいくつかの大事なキーワードがあります。

まずは「楽」と「快」。ふんふん、操体(法)の屋台骨ですナ。

そして「救い」と「報い」。なるほど、橋本哲学の中軸と言えます。

さらには「刺激」と「接触」。うむむ、これも見逃せないポイントです。


三浦先生は主に皮膚へのアプローチ(渦状波)において

「接触」という表現を用いられますが、そもそもなんで「接触」なんでしょうか?


その理由の1つは著書である『皮膚からのメッセージ』(たにぐち書店)にこう書かれています。


「〜 それは操体法の原則を貫くことにあった。

操体法の臨床には刺激という観点、概念がないのである。

元々刺激を根底にした問いかけがないのである 〜」。


これはいきなりトドメを刺されるような言葉です。

つまり操体では何をするにしても「刺激」という概念がないんですネ。

そこからスタートしているわけですから、三浦先生にしてみればきっと

「刺激」と「接触」を並べること自体が?ということなのかもしれません。


もちろん実際の臨床においても「刺激」と「接触」の違いは大いにあるわけで、

そうした違いによる生体への反応も同書に書かれております。

操体を学ばれる方はぜひ読んでみていただきたい本の1つなのですが、

この「接触」についてはワタシもいろいろと考えさせられたことがあるんです。


操体法の皮膚へのアプローチは「刺激」にならない「接触」によって行われます。

実際にうけたことのある方ならわかると思いますが、その「接触」はごくごく軽いものです。

そこで普通に考えたら「そうか、軽く触れてるから接触なのネ」なんて安易に思っちゃうところなんですが、

それだけではちょっと納まりきれない部分もあるようなんです。


なぜならワタシは指圧をやりますが、

その指圧に対しても三浦先生は「接触だ!」と教えてくれたんです。


「え゛ぇ!指圧って押(圧)すじゃん!」。

ヒヨコちゃんは、またまた往生です。


つづく


中谷之美