東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

秋穂一雄の本棚紹介のコーナー


この本達はホテル学校出身のうちの奥様がたまたま持っていたという御縁で読み始めた、橋本先生の三男さん、先生の本の中にも神田駿河台山の上ホテルに勤めている出来た三男坊として紹介されている橋本保雄さんの著書です。


内容としてはホテルマンのためのHow To本的な要素が多いのであるのですが、随所に橋本敬三先生の姿を彷彿させる哲学が随所にちりばめてある臨床家の方にも読んでみて頂きたい本です。


この中の一つ 喜ばれる「もてなし」の秘訣 という本の中にハイタッチ・サービスという言葉が紹介してあります、これは情感を持つ人間だからこそできる、心の通い合うサービスという意味なのだそうですが、この文章を読んだ時に三浦理事長の治療院での臨床風景が浮かんできました。


僕は橋本先生が亡くなった後に操体を学び始めた人間なので、橋本先生の臨床というのは映像で垣間見ることしか出来ないのですが、理事長の治療室で見せてただいた臨床風景は患者さんのからだの要求を満たすために最善の操法を提供しようとする暖かく、柔らかいけれども、芯の通ったサービスの場であるように感じられました。


操体の臨床はフォーラムの席でも繰り返し説明されているように患者のからだの要求に従って行われるという操者と患者(のからだ)のコミュニケーションが円滑にとることが出来ないと成立しない、まさに高い感受性と人間性が要求される臨床です。橋本敬三先生の息子さんがサービス業のプロフェッショナルであるというのが妙に納得できる気がするのは僕だけでしょうか。


勿論見る人の感じ方によっては橋本敬三像・操体像というのは様々なのかも知れませんが、実際に操体法の創始者橋本敬三医師の近くでその息吹を感じた方々の感じ方に触れるということは橋本先生を知らない世代にはとても貴重な体験です。


春のフォーラムでは、晩年、橋本先生の身の回りのお世話をされてあったというミヨちゃんこと今美代子さんの特別対談も予定されています。私達の知らない橋本先生とのエピソードを聞かせていただけるのではないかと今から待ち遠しい限りです。首を長くして待つことにしましょう。



秋穂 一雄