東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

今日のオカ村さん(ネコじゃなくて)

ブログをご覧いただいてありがとうございます。
皆様の今日も昨日と異なる新たな旅立ちです、充実したものになりますように!


私の仕事環境は、午前中接骨院におりまして、午後は治療院に移動して働くというシフトなのですが、
開業してから経営に関してコツコツ続けていることの一つに漫画を揃える事があります。


接骨院にある漫画は、全て私の好みで置かせてもらっていますが、これがどうして?接骨院の若い患者さんだけでなく、50代〜70代の方にも評判がいいのですヨ。
(これも経営安定のツボ?と考えています。)
本当によく言って頂けるのですが、「ここに置いてある漫画の選択は誰がしているの?」
「外すことのない面白い漫画ばかりね〜!」・・と。


その選択のツボは自分自身で味わうこと、面白いだけでなく読了感が良いこと、そして何よりも生命賛歌に繋がっていること、がポイントですネ。
(最近では・・岳、あんどーなつ、玄米先生の宝箱、深夜食堂、などオリジナル系ですね)


そうでした!
ここいらで引っ張りすぎだけん、ちょっくらやっとくで(静岡弁・秋穂さんの真似です)


(第二分析をメインにした臨床のケースその?)


中学3年生のKさんは卓球部のキャプテンです。
毎日メンバーと楽しく練習していましたが、先輩が卒業してしまい、自分がキャプテンになってからは“かなり”ストレスがたまっているんじゃないか?との事。(本人でなく一緒に来ているおばあちゃんから聞く)


「コンバンワ〜!こちらのほうへ、どうぞ。」とご案内する私。
ちょっと緊張した面持ちのようだ。


「いつも卓球で大活躍している話は聞いていますよ〜かっこいいですね!」と私。
ちょっとはにかんだ様な照れ笑いを浮かべる。
(よしっ!大丈夫。この表情を見せてくれるのならば・・・と心の声)


待合室から歩いてきた感じでも、動きの聞き分けもできそうだしね。(根拠なしのカン?)


おばあちゃんが後ろから心配そうに孫の代弁をする。
「この子と最近ご飯食べに行くとね~、動くたびにイタイイタイって!病院もいかないのに言ってるのよ!だからここに引っ張ってきちゃった!」
さらに照れたような困ったような表情を見せるKさん。
ヨシッこの子も、からだも大丈夫!(いつもの根拠なし?カンが伝えてくる)


問診表を見れば、
主訴:両方のふくらはぎがとっても重だるい、常に腰が痛い、
両肩が突っ張ってつらくなる。
と記載してあるが・・。(フ〜ンと流すようにして見てみるだけで、あまり突っ込まない)


視診を通す。(サーチアイと私は思っている〜鉄腕アトムの真似)


正面から見ると右側屈の形をとっているように感じる。
右肩が随分と下がっていてちょっと不自然。
右の骨盤が上がって体側が詰まっている(本人は左がつらいとのこと)
顔を見ると左が詰まっているようだ。
他にもなんとな〜く情報が頂けたのでサーチアイのお陰です。


“動診”の前の自動運動を「絶対に無理しないようにして下さいねッ」と伝えてから行っていただく。


「右捻転すると腰に嫌な感じがあって、無理すれば辛いです」とKさん。


慌てて(フリをして)「無理しちゃだめだよ〜ここでは無理禁止!気持ちいいのは良いけれど、無理して伸ばしたりすると余計にからだが怒っちゃうよ〜可哀想だからね」と私。


見た目の可動域の左右差は思ったよりないけれど、これはうまく逃げてるんだろうなァ?


軽く上肢を引き上げて(卓球でよく行う姿勢)側屈は左が窮屈でやりにくいとのこと。
前かがみを膝を曲げて行ってもらうと、頭が右足のほうに引き寄せられているけれど、これもKさんの自覚はないようである。
「下腿のひき吊れと腰の不安感が発生しそうです」というので再度「無理しないでね」と
優しく、でも心に差し込むように目線をつかって伝える。


後屈させてみると随分左に倒れて、しかも左に軽く捻転がかかってくる。
フムフム・・・随分と頑張り屋さんだな〜。
からだは正直なものだから、本人の口を通して聞くよりもずっと雄弁なので助かっている。


「センセ〜この子って姿勢が悪いでしょ〜私いっつも猫背を注意して言ってるのよ〜」
「でも若いのに猫背が直らないから、体が歪んでいるんじゃないかと思って〜」
・・・と後ろから心配そうにこちらを見て伝えてくれます。
とっても元気なKさんのおばあちゃん?も卓球の現役バリバリ(し・・死語かな?)選手なのデス。


「いや〜こうして歪んでくれて助かっているんですよ〜、ビシッと無理していたらもっと“からだ”が可哀想じゃないですか、ここまで頑張ってくれているんですからネ」
・・・とお二人のからだに響くように、いつもお疲れさま!という私。


「じゃあここのベッドをうまく使って、一番安楽な姿勢で休んでくださいね〜ゆっくりでいいですよ」
「これが良いな〜とわかったら呼んで下さい、ゆっくり“からだに”聞き分けてね!」


そろそろポジションが決まったようだ。
仰向けで頭を北側に向けているのが良いらしい。


同様に操者の立ち位置でも、からだの極性に判断していただいてから、操体法を通させて頂く。


「それでは、これから一つ一つの動きを通していきますので、その動きに気持ち良さがああるのか、ないのかをよーく聞き分けて下さいね〜」
「途中不快な感じがあったらすぐにやめて下さいね。我慢しちゃだめですよ〜」と私。


動かすことについては操者の責任として、自分自身の重心安定、重心移動、そして連動をよく理解し、その一つ一つの動きに適うように患者のからだを導いていく。


動きの操法を通す場合は、(第二分析)
1、 八つの動きを分類して、一つの動きに対する動診を通す。
2、 動きに伴う感覚を聞き分ける(気持ちよさがあるのか、ないのか)
3、 あれば、気持ち良さを操り〜最高に気持ちが良いところ(最快点)で撓める〜。
4、 十分に味わった後、からだのつけてくる要求に委ねる。
5、 脱力をからだが選択してきたら、脱力後の爽快感を十分に味わっていただく。
6、 (操者が連動を見ていて、不自然な連動性を通していた場合はよく言います)
何か“からだに”表現したいみたい動きがあれば表現していただいてかまいません。
7、 回数の要求を訪ねる。あればもう一度通す。


たとえKさんが、小学生の頃に側彎症という診断であっても、
元々“いいからだ”を見せて頂くのだから、直る力がある。(悪いからだとして見ない!)


「大丈夫ですよ!きっと今よりもっと楽しく動けますよ〜」
「これからもお手伝いをさせてもらいますが、からだの動かし方、ルールだけは覚えてネ!」


と伝えて、般若身経(体の使い方です)を指導させて頂き、月に二回で5回ほど診せて頂いたのです。
「おかげさまで肩の高さも猫背も良いみたい(すっかり今じゃあ操体法ファンになったみたいね?」とはKさんの祖母の弁です。


でも私としたら、なんだか全く自分のお手柄に感じません。
本当に気持ちの良さを味わうことが、からだの喜びなんですな・・・としみじみ。


そんな私の場合ですが、臨床を通して直感で診せて頂くことが多いのですネ。
鍼灸や指圧もたいがい考えすぎると今一つになることが多いのです)。
それを恥じて、しっかりと解剖力学的負荷理論や医学生理学的理論で説明したくなり、できるだけ区分けして方法と結果をイコールにしたかった・・・。


開業当初に行っていた楽を通す操体法(第一分析)では、それが可能だったように思える。
楽を通す臨床では、それがかなり近く、思い通りの結果を築くことができた。


それは“操者側の決め付け”が多く入っているからなのである。
だから、本人の頭の要求と操者側の思惑が一致している。


でもそれでは動きが改善しても、感覚の改善につながってきてくれないケースが割と多い。
動きが良くなっても、からだの満足感が薄いような感じがするのである。
だから、痛みが残っていたり、よくなったのに戻りが速かったりしていた。


“気持ちよさに全てを委ねる”、“からだの意思に任せる”という意味合いの臨床においては、もう少し工夫の余地があるように思えるのだ。


だから、楽を通す操体法と、気持のよさを通す操体法は、同じような別物であったのだ!
そして・・・・。
皮膚に問いかける操体法を知ることになり、私の人生の歯車は急激に、しかも大きな目的と希望を乗せて回り始めることになる。
(999にメーテルと乗り込んだ鉄郎のように?)


その世界が見せてくれるものは、私が”心から求めていた”操体の法則、想念をはっきりと映し出してくれるのだが・・・。


それは明日の最終ブログにて!近日公開!!
(って明日なんでしょう?ってそうだけど・・・書いてみたかっただけです)


では、皆さま。良い週末を!「ハブアナイスウィークエ〜ンドゥ」(ウイッキ〜さん風)


岡村 郁生


東京操体フォーラム実行委員ブログ(仮)は
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