東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

ツボ違いのヒーロー

3日目です、相変わらずの飛道具第3段目です・・・
え〜っと年代にもよりますが、皆さんの少年・少女時代のヒーローって何でしたか?
○○レンジャーとか○○仮面などなど枚挙に暇がないと思いますが、私のお坊ちゃま時代は明確で、先ずはウルトラマン系”に始まりライダーシリーズへと移行し、戦隊物前期で終了といったとこでしょうか。

その第一期がウルトラQから始まったウルトラシリーズでした。
ウルトラマンはさすがにリアルタイムで見た記憶は無く、再放で見たりしつつも好きで見てました。
しかし、お坊ちゃまがちょいとツボが違うのはウルトラマンそのもの好きだったのですが、それ以上に好きだったのがウルトラマンや怪獣が壊すミニチュアの数々でした。
何とかデパートが壊れたり、下町の民家をロー・アングルから撮影し、それらが破壊され、吹き飛ばされる様を見て子供心にワクワクして見たものです。
ですから第一次少年期就職したい企業NO.1は円谷プロでした(もっともミニチュア制作等は別会社なのでその時点でお子ちゃまの夢ですが)。

ですから小学校低学年の頃はもっぱらミニチュア作りを趣味としておりました。最初はマッチ箱を材料に作り始め、徐々に材料も理解しだして、バルサ材とか竹籤、厚紙などを用いて自宅を作ったり
壊すための小学校(爆)を作ったりもしました。最後の頃は電飾まで作り、ミニチュアの家の中が灯りで光るような仕掛けも作っていました・・・
最後は爆竹で大爆発をさせて終了みたいな結末でしたが。。。

そんな手工芸、円谷プロ職人から卒業するきっかけを作ってくれたのが、仮面ライダーでした!
これはもう、同世代の男連中で夢中に成らなかった奴は一人として居ませんでした!街角にはやたら「とぅ〜!」とか「ライダー・ジャァンプ!」などなど様々なライダーが誕生していました。
母親の柄付きのスカーフを首に巻きつつ(バラの模様だったような・・・)、長靴を緑色の絵の具で塗ろうとして、水性絵の具で塗れる訳がねぇじゃん!って今なら突っ込む所が、真剣に塗ろうとして量が足りずに人の絵の具までを使って塗ったりと、まぁ色々やりましたねぇ・・・

ここでも私がツボ違いで私が最初こそ夢中に成ったのがライダーの方だったのですが、最終的には『ショッカー』が大好きに成ってました。

何が好きかって、あのやられっぷりの見事さでした。仮面ライダーの格好良さを更に引き立たせる、やられっぷり!「キキィ!」っていう妙な叫び声と共に後ろを振り返ることも無く断崖絶壁へと落ちていく、背中で語るやられの美学とでも言いましょうか、その格好良さに目を奪われ、本当に憧れました。
それからというもの、小学校の体育館にあったセーフティー・マットを床に引き、高さ数メートルの所から「キキィ!」っていう叫び声をあげつつ落下するという練習を毎日のようにやっていました。
時にはマットを外れ背中から床に落ち、一人呼吸が出来ずに悶絶したり、バク転の練習をしてて首から落ちたり、まあよくも骨折しなかったものと今更の様に感心し、丈夫に生んでくれた母に感謝です。

そのお陰?で小学校五年生の時には郡の体操競技会に出ることとなり、マット、跳び箱、鉄棒で一位になり総合優勝という輝かしい実績を掴むことが出来ました・・・
恐るべしショッカー戦闘員。。。

このショッカー戦闘員を演じていたのが、私のリスペクトするJJサニー千葉こと千葉真一大先生JAC(Japan Action Club ジャパン・アクション・クラブ)と言いたかったのですが、仮面ライダーでの主なスタントはあの伝説的殺陣集団、大野剣友会のお仕事だったのです。
当然の事ながら大野剣友会の事は知らず、勝手に千葉治郎千葉大先生の実弟)が仮面ライダーに出てたから、JACだろう等と安易な発想で、子供心に将来はJACと心に決めて、高校生の卒業時までその夢は持ち続けていました。
結局は学校卒業時に就職した会社とJACの二次試験の日がダブってしまい、母親の説得により断念してしまったんですけどぇ・・・
ひょっとしたら日本一のやられ役は私になっていたかもしれません・・・

この内容書き出したらこのネタだけで一週間終わりそうなので、このヘンで仕舞いにしときますが、何が言いたかったって、何か昔のヒーロー物ってテーマが明確だった様な気がしませんか?
勧善懲悪も然る事ながら、もっと奥深いテーマだったり、子供心にミョーに考えさせられたりと、改めて今見ても特にウルトラセブンなんて深すぎて見終わったときに「う〜ん・・・」などと唸ってしまいます。

第6話 「ダーク・ゾーン」に出てきたペガッサ星人とセブンであるモロボシ・ダンのやりとりなど見ていると地球人が正義なのか宇宙人が本当に悪なのか考えさせられ、
これらは今の世界にもある人種偏見や差別にも繋がる部分があり、ウルトラシリーズの中でもセブンの好き嫌いがハッキリ分かれる理由でも有るのですが、再度、見ると結構いけますよ・・・

ウルトラシリーズには地球人では無いのに地球の平和のために命をかけて必死で戦うその、見返りを求めない姿!男たるもの正義に対して見返りなんぞ求めたらあかんぞ!という無言の訴えの様です・・・

仮面ライダーでは一般人が何の落ち度も無いのに、悪の組織に拉致られこれまた勝手に虫のお友達に改造され、それでも文句を言わずに悪の仲間に成らずに正義を貫く姿など、
周りの環境に左右されちゃ駄目だ!人として真っ直ぐ生きろ!と不良少年へのメッセージの如くに見えますし。。。

バロムワンなどという私の好きなヒーロー物に至っては人は一人では生きていけない!大事なのは友達なんだぞ!
友情だぞ!と言うやや押し売り的、強引な位の強いメッセージがあり、ただ変身さすのでは友情のありがたみが解らないから、お互い(この物語は主人公が二人の少年で・・)
心の友情メーターが満タンに成らないと変身出来る条件が満たされないといった、これ又何と不条理な!条件設定を満たすことでのみ変身出来るという、
ややサディスティック的素晴らしい異色の変身物ヒーローです。

そして更に坊ちゃま番組は進化を遂げ、友達は一人より多い方が更に素晴らしいぞ!皆の力を併せれば恐れる事なんて何もない的な、チームワーク的友情を子供にアピールしたのが、
戦隊物の金字塔秘密戦隊ゴレンジャーでした。

これ初回放送が1975年ですから私が10歳ですので、ドストライクではまったのを覚えています。♪バンバラバンバンバン♪って歌を歌いつつ・・・
これなんて今考えると、キャラ設定が明らかに科学忍者隊ガッチャマンとダブりますし、特に五号のみみずくの竜とキレンジャーなど体型までソックリだったりして・・・
この番組が私のヒーロー物最終章だった様な気がします・・・


ですが、悲しいかな今の子どもたちが見ているヒーロー物ってどうでしょう?
と言っても私の家にヒーロー物に該当するお坊ちゃまが居ないので、リサーチに多少の説得力は欠けますが、明確なメッセージ性が弱い様な気がします・・・
私らのお坊ちゃま時代のテーマと言えば、男ならこう生きろ!的力強さがテーマの根底にあり、そこには勢いの様なモノが感じられていました。

現在がその当時と大きく変化した事と言えば、平成21年現在のヒーロー物世代に訪ねても二極化することです。
我々世代はヒーローと言えば!と訪ねられれば、即座に仮面ライダーやらウルトラマンが出てきたものです。
時にはアオレンジャーアカレンジャーなどヒーローのタイプによって好き嫌いはあっても、お坊ちゃま方の話題は統一見解だったような気がします。

しかし悲しいかな、今の子どもたちに聞くとAちゃんはアンパンマンやらBちゃんはピカチュウやら何だか芸風の変化が激しく、私には理解不能な世界ですし・・・

ヒーローがおじさんに頭焼いてもらっちゃ駄目だろう・・・と呟いてみたり・・
ヒーローが○○チューってショッカー戦闘員に近い声出しちゃ駄目でしょ・・・
などなど、おおよそ私らの考えるヒーローとはかけ離れたヒーローが沢山誕生していらっしゃいました。
価値観の多様化が進んでいるから当たり前でしょなんて言われても、何だかブルーになるのは私だけでしょうか・・・

ある若いお母さんの話を聞いたのですが、子どもたちが今の仮面ライダーを見てても、怪人などとの闘いのシーンになるとアタフタとテレビを消したり、チャンネルを変えたりするのだそうです。
幼稚園でもいわゆる昔の子供的に「○○チョーープ!」なんてふざけながら友達を小突いたりすると、
小突かれた子は涙ぐんで何も出来ず、遊んでた子は乱暴者のレッテルを貼られ、嫌われちゃうのだそうです。
ある幼稚園ではヒーローごっこは禁止!って規則で決まっているのだそうです。。。

あ〜ぁ 何て不条理な世の中・・・
チョップで小突かれたら「ケケィイイ!」などと叫びつつ、もんどり打って倒れてみせるとか、一言二言悪人らしい台詞を言ってみるとか、
その位の機転を利かして欲しいものです(それがポイントでは無いのですが)・・・

僕らがお坊ちゃまの時代に悪は懲らしめなきゃいけない!悪を見過ごしてはいけない!というのをヒーロー物で学んできたので、
クラスでイジメが有れば何人かは「○○君!そんなことやったら駄目だよぉ!」などといじめっ子を取り締まる“正義の味方”が居たのです!
それってヒーロー物の相乗効果だったような気がします。「悪の栄えたためしは無い!」何て台詞言いながら・・・

美空ひばり石原裕次郎山口百恵・・・ヒーローに限らず時代の寵児とも言うべき“スーパースター”“スーパーアイドル”が不在となって久しい昨今です、時代を大きく牽引してくれる本当の“HERO”を時代は待っているのかもしれません。