東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

雪隠考。

最近、男性でも洋式トイレで座位で「小」をする人が多いと聞いた。周囲に聞いてみたところ『そんなことは絶対しない』『オトコが座ってやるなんて言語道断』という立位派、家で奥さんに言われてやってみたら案外悪くないので座っている派が存在した。座る派の圧倒的多数意見は『掃除が大変だからと奥さんに頼まれた』ということ。また、立位の場合、飛沫の飛び散りを考えたら何だか不潔だなぁと、座ってやっていたらそのまま習慣になったという意見も聞いた。また、男の子がいる友人に聞いてみると、小さい子はやはり失敗するのだそうだ。そういう場合、子供が余所の家に遊びに行ってトイレを借りた場合、余所の家のトイレを汚さないという躾の面もあるらしい。
男性の場合、立位のほうが簡単?と言えば簡単な気がするが、掃除や衛生面を考えたら何だか座ったほうがいいのかな、という気もしてきた(無責任ですいません・・)。
橋本先生は本の中でこんなことを書かれている。
『ついでだから、尾籠(びろう)なことを申上げるが、病院外来で、一番の困りものは婦人御手洗所でしょう。殿方は手放しで御用達もなさるまいが、悲しいかな、御婦人はそうはいかない。よほど、たしなみのよい方でなければ、御腰のむきを調整してからの行動をおとりにならない。その結果が、あの始末というわけである。御婦人だけをくさすわけではない。殿方は、ちょっと便利に出来ているだけのことである。どうも、話は終末に来たようだ。』(からだの設計にミスはない 111ページ)

私が最初に入った小学校は、千葉市内でも二番目に大きい巨大な小学校で、生徒が入り切らなくなると広い校庭にプレハブ校舎を建てていた。最初に、と書いたのは3年生の時、同じ千葉市内のモダンな新設校に転校したからである。1年生の時は普通の校舎で普通の水洗和式トイレがついていた。ところが2年生になって教室がプレハブ校舎に移ったのである。プレハブ校舎は水洗トイレではない。いわゆるクラシックなトイレだった。
2歳の頃から団地の水洗トイレで育った私は、やはり怖かった(爆)。小学校1年のころから、本屋で少年誌を立ち読みしていたので、『うしろの百太郎』とか『恐怖新聞』などを読んでいたからである(私が小学校の頃は『トイレの花子さん』はまだいなかった)。
いわゆる『トイレから手が出てくる』とか、手が出てきて驚いて窓の外を見ると「大入道」がいるとか、クラシカルなトイレはそれだけで小学生の想像力を揺さぶったのである。この話は確か「ちびまる子ちゃん」にも出てきたような気がする。

うしろの百太郎 (KCデラックス )

うしろの百太郎 (KCデラックス )

恐怖新聞 (1) (秋田文庫)

恐怖新聞 (1) (秋田文庫)

それはさておき、プレハブ造りのトイレの床はタイルではない。木の床だ。なので向きを誤って小用を足すと木の床に染みができる。前に入った子がそういう鮮やかな「痕跡」を残していると、私は『なんで、ちゃんと便器内に収まるようにやらないんだろう?』と、真面目に考えていた。ちなみに仲良しだったKちゃんに聞いてみたところ、『まっすぐ座るんだけど、はみ出ちゃう』と言っていた。私はそれを聞いて『Kちゃんはしっこが出るところが曲がってついているのか?』と、勝手に真面目に悩んだものだが、あれはKちゃんが腰の向きを微調整?していなかったからに違いない。
今現在は洋式が殆どなので、腰の向きの調整をせずとも、女子はトイレの床を汚す心配をすることはなくなった。

しかし今度は男性諸氏が『飛沫を飛ばす』と、言われてしまう時代になったのである。

私は毎週末午前中、あるいは午後、三茶のターミナルビルで施術なり講習をしている。使う前は必ずトイレ掃除して床も拭く。ターミナルビルは、昭和の香りのする和式の水洗である。掃除していて思うのは『やはり飛沫が飛んでいる・・・』ということだ(笑)。
あと、女性はトイレでぱんつの上げ下ろしをしても床に『毛』が落ちることはまずない。女子の雪隠内行動は和にせよ洋にせよトイレット・ボウルの上で行われるのである。よってトイレの床に落ちている『毛』は殿方の落とし物である。殿方はどうしても出入りの際に『毛』が落ちるらしい。私はトイレに落ちている『毛』が妙に気になるのである。

トイレついでにもうひとつ。トイレットペーパーを使った後、三角に折っておく人がいるが、私は「やるな」と言われて育った。どういうことかと言えばトイレットペーパーの末端を折るのは『掃除をしましたよ』のサインなのだそうだ。普通に用足しをしてからペーパーの端を折るのは、どう考えても『手を洗う前に折る』ことになる。つまり、次の人が使うトイレットペーパーを、洗ってない手で折ってるわけで、かえって失礼だというのである。折るのは『掃除をしてから』なのだそうである。これもクライアントをお迎えする店舗などだったら臨機応変ということだ。

さらにもう一つ。私の友人F(♀)は、当時女性二人とルームシェアしていた。友人のルームメイトによると『Fさんはいつもちゃんと流さない』というのである。そういえば私は『水洗っ子』なので、親に『ちゃんと流れたか確認してからトイレから出なさい』と言われていた。なので結構最後まで見届けてから出るのだが、F曰く、田舎のトイレ(クラシカル)で育ったので見届ける習慣がなかったんだそうである。

見届けたほうがいいと思う

何だか訳の分からない話になったが今日はこんなところで。

おまけ。操体法東京研究会講習の動画。上肢の押し込み、引き込みによって生まれる膝の傾倒の連動。


畠山裕美