東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

継承するもの

僕は昔からシルバージュエリーが好きで、先輩からもらったり、アルバイトをして買ったり・・・
でも当時は、何かまだ違う、それぞれの物に愛着も感じるのだが、今ひとつ作り手の想いを感じる物に出会えなかった。
人それぞれに物に対する感覚があるから一概に否定はしないですが、僕は作り手の思いのこもったと感じる事ができる物が好きです。

そんな僕が何年か経って一つのインディアンジュエリーに出会った。
いまでは色々なブランドから出ているし、20年以上も前から王道と言われる物もある。
でも僕が欲しいのはそれらではなかった。本当に良い物は良いのだけど、人気が先を走り過ぎるという事もある。

僕がであったそのシルバージュエリーは一から全て手作りで、一つ一つ微妙に事なる。
機会でなく人の手での作業。一本一本のラインや形状に、作っている瞬間の想いが入るのだと思う、だからそれは世界に一つのものと言って良いと思う。金属でありながら柔らかさ、力強さ、繊細さ、優しさを感じる。

僕はある日、そのジュエリーを作っている方のお弟子さんに出会った。
その人は忙しいだろうに僕との時間を持ってくれていた、僕は失礼ながら、その方の作った物を実際に見るのは初めてだったが、
僕が持っているものと同じ感覚を得た。そのお弟子さんは出会いも話してくれた。偶然と言っていたが、きっとそうではないのだろうな。
惜しげもなく色々な事を話してくれ、更には作る工程も少し見せてくれた。全ては経験とそしてその技術に対する絶対的な自信なのですよね。
感動しました・・・
『こうやって作品に命を吹き込んでいくのだな』
師匠と弟子の間には不思議な目に見えない不可視なやりとりがあるのだ、そしてそれを受け継いだものが同じ心を継承するんだ。

意志を受け継ぎ継承し、また伝える。

どの世界も一緒だ。

しかしそれは中途半端な思い出はできない。

その事を教わった出会いでした。
僕も操体を楽しく、そして真剣に学び、そしていつか、濁りのないものを伝える、そんな臨床家になりたいものです。

操体の創始者の橋本先生には出会ったことがなくても、ふと『会ったことがるのかも・・・』と思うのも師匠が
しっかりと継承されているからなのでしょうね。
言葉でなく、心に宿った想いがそのように思わせるのですね。


西田尚史


8月28、29日は大徳寺玉林院にて「東京操体フォーラム in 京都」開催
9月18、19日スペイン、マドリードにて「操体フォーラム in マドリード」開催
2010年操体法東京研究会定例講習は9月から始まります。