東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

 「ハァ〜」と「フゥー」

おはようございます。


ここ2,3日は比較的暖かかったのですが、今朝はグッと冷え込みました。
こんな時は、手の指先も悴んできて、思わず「ハァ〜」と息を呼きかけてしまいます。
こうすると、悴んだ指先も温まり、一時のやすらぎが得られます。
逆にこんな時、「フゥ〜」と呼いたのでは、寒くなってしまいますよね。
何気なくいつもやっていることでも、改めて考えてみると「なぜなんだろう?」と思ってしまう事って、沢山あると思います。
こういう時、インターネットというのは便利なもので、「ハァ〜とフゥ〜の違い」と、ちょっと野次馬根性を出して検索してみると、色々出てくるものなんですね。
自分以外にも、この様なことに疑問を感じる人が大勢いると思うと、なんだか嬉しくなってしまいます。
熱伝導率とか断熱膨張の効果とかの説明をあげてくわしく説明している人もいますが、ほとんどの人が、息そのものの温度は変わらないが風速や風圧で手の体温が奪われるといった内容のことをあげていました。
では「ハァー」と「フゥ〜」に関して、手の指先など息を呼きかけられた側の感覚ではなく、呼く側のからだの動きに関してはどうなのでしょうか。
口から出ていく息の風圧や風速が違うということは、からだの動きも違って当然ですよね。
やってみると、「ハァ〜」と「フゥ〜」では口の動きだけでなく腹の感じも違うし、背骨や肩甲骨の感じも違うし、からだ全体の動きの流れも違います。
これは軽く姿勢を正すということと、ゆっくりとききわけながらという条件づけをした上で、やったならばほとんどの人で大筋の見解の一致がみられると思います。
息のつきかたで、からだの動きがまるで違うということですね。
そして同じ「ハァ〜」でもそのときどきの感情によって微妙に違います。
寒い時の「ハァ〜」と心配事を抱えているときの「ハァ〜」では違いますし、民謡の佐渡おけさを歌う時の「ハァ〜」も違いますね。
だから心の持ち方、そのイメージにのせた息の呼き方で、からだの動きや姿勢にも影響するということですね。そして、これらも同時相関相補連動性のなかのひとつですね。
文章にすると複雑になってきますが、いつも何気なくやっていることでも、からだの有難い働きがあって成り立っています。そしてこれらは意識を介入させることが出来ます。
だったら気持ちのよい方向に向けたほうが良いですよね。
橋本敬三先生は般若身経を行うときの、立位の姿勢の指導をする時、両膝の力を緩めるコツについて「息をほっ、と吐く瞬間に膝の力を抜くべし」と教えていたそうです。
やってみると明るい気持ちで自分のからだと向き合える感じがするし、安定感もあります。
今日はクリスマスイブということで、帰ったらケーキを食べるという人も多いと思いますが、ロウソクの火を消す時は明るい気持ちととびきりの笑顔で「フゥ〜」と息を呼きましょう。


尚、「息を呼きかける」という言葉の表現が便宜上ありますが、動診に於いて呼気は呼きかけるではなく「とおす」です。


友松 誠。


2011年東京操体フォーラム分科会は4月29日に千駄ヶ谷津田ホールにて行います。http://www.tokyo-sotai.com/

2011年2月から足趾の操法集中講座を開始します。


Facebook東京操体フォーラムのファンページをつくりました。

東京操体フォーラム Tokyo Sotai Forum

ファンページも宣伝する