東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

『イノチの洗濯日和』

今日(正確には10月7日)は休日だったので、たまたま近所で開催していたアンティーク家具の青空市に冷やかしに行ってみました。福岡は大昔から大陸からの玄関口として栄えた歴史を持っている街で、現在もアジア圏からのクルーズ船が度々来航する等未だに海の玄関口として大勢の海外旅行客を迎えており海外からの旅客数は日本一を誇っています。

あこがれの上海航路ですよ〜

この日もアンティーク市の会場の隣の大型コンサートホールではお隣の韓国の人気スターのコンサートが開催されるらしく大勢の女性でごった返しており、こんなご時世なのに本当に日本女性は懐が深いと感銘を受けた次第です。現在福岡の港は人だけではなく大型のコンテナ船も多く入っており海外からの輸入品が多く陸揚げされるため、福岡の街中でも海外からの輸入雑貨のお店やアンティークショップが多く見受けられます。

そういえば橋本先生が『からだの設計にミスはない』の最初の「日本は宝の島」という文章の中で、日本は大陸のふきだまりで、いろいろなものが大陸から吹き寄せられてくる。と書いてあります。この吹きだまりの入り口が紛れも無くこの福岡の港であったという事になりますね。その影響で福岡には『○○の発祥の地』というものが結構多くあります。有名どころでは臨済宗の開祖栄西が宋よりお茶を持ち込み博多の街に広めたのだそうです。また、この栄西が開いた聖福寺は日本で始めての禅道場なのだそうです。食べ物で言えばうどんも現在では四国香川の讃岐が有名ですが、これもやはり中国から博多に伝わったもので、博多の承天寺の境内には饂飩蕎麦発祥地と書いた石碑が残されています。あと変わり種では福岡市の福岡女学院という学校が日本で始めてセーラー服を制服に導入したのだそうです。もしこの学校がセーラー服を導入しなかったら、おニャン子クラブ薬師丸ひろ子もちょっと困った事になっていたに違いありません。

話を橋本先生の本に戻します。その続きにそうやって日本に入って来るものの中には良いもの悪いものいろいろとなるのだけれど、それが宝物なのかガラクタなのかなかなか区別する事ができない。西洋から来たものばかりが宝物に見えて、古来から東洋に伝わっているものはガラクタにみえてしまうと書かれてあります。確かに明治の開国以来、ひたすら西洋の強国を手本に国づくりをしてきた私達日本人はどうしても西洋のものをありがたがる癖がついてしまっているのかもしれません。何の本だったかは忘れてしまいましたが、農業国の日本人においては元来胴長短足がイケメンの条件であったと書いてある本がありました。確かに足が短い方が重心が低く農作業に向いているから生存能力は高いといえるのかも知れません。江戸時代にタイムスリップしたら私なんかも韓流スターに負けないくらいのイケメンだったに違いありません。しかし、この西洋一辺倒の日本も近年では韓流スターや華流スターを筆頭に再びアジアに目が向きつつありますし、医療の現場でも、鍼灸や漢方などの東洋医学を取り入れてあるドクターも随分増えて来ている様に見受けられます。橋本先生の没後20年を目前にして確実に橋本先生が医学会に投げかけて来た言葉が現実のものとなって来ているのかもしれません。

結局宝物かガラクタか区別がつかずに手ぶらで帰りました。

2012年秋季東京操体フォーラムは11月18日(日)津田ホールにて開催