こないだ道を歩いていたらエンエンと泣いている女の子がいました。
どうやらどこかにアタマをぶつけたらしいです。
お母さんが一緒にいたのですが、お母さんは自分のことにお忙しいようで、
「しょうがないでしょ!」と大きな声を出して適当に?対応しております。
そのとき、その女の子は「アタマから血が出ればよかった!」と一言。
もしかしたらアタマ以外のところも痛かったのかもしれませんネ。
いきなりですが昭和の天才療術家といわれる野口晴哉先生の言葉にこんなのがありました。
「〜 いくらレントゲンで写しても、切り開いて見ても、
借金も、失意も、嫉妬も見つからないよ。重要なのはそういうことなんだ 〜」
(『朴歯の下駄』 全生社 / 『回想の野口晴哉』 ちくま文庫 / 野口昭子 著 より)
う〜ん、そういうことなんですねぇ。
泣いていた女の子がホントはどこが痛かったのかは、
きっとレントゲンで写してもわからないんでしょう。
そういった痛みまで抱えた患者さんが治療所に来るわけですから、
目に見える部分へ「刺激」を与えるだけじゃ間に合わなくなっちまうってことにもなりかねません。
うむむ、こりゃ「足の長さがそろったワ♪」なんて喜んでる場合じゃありませんぜ。
ちなみに野口先生の『健康の自然法』(整体協会出版部)という著書には、
「〜 (触手療法は)紙一枚出し入れできる程度の接触が理想で 〜」と書かれております。
触手療法の詳しいことはよくわかりませんが、「接触」ってところが何だか面白いです。
ところで何で野口先生にご登場いただいたかというと、
野口先生は『臨済録』を愛読されていたそうだからです。
どんなふうに読み解いていたのかちょっと気になりますが、
まぁヒヨコちゃんのパラパラ読みとは違うということだけは確実ですネ。
一週間ありがとうございました。来週は畠山先生です。
中谷之美