東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

今年最初の雑談 その5


「指圧の心 母心、押せば命の泉湧く」の名セリフでも有名な浪越徳治郎先生。

日本指圧専門学校を創設された指圧の名人です。


ワタシもそこの卒業生の一人ですので、スペインの小野田先生は

大先輩ということになります(操体フォーラム in スペイン)。


ところで、浪越先生の名セリフですが、これはきっと指圧の極意ですよネ。

いや、もしかしたら指圧に限らず「癒し」の極意かもしれません。

だって、「操体の心 母心」って言っても、そんなに違和感ありませんから。


母心といえば、橋本先生の著書や講演の記事などを拝読すると、

「お母さん」とか「おっかさん」とかいう言葉がチラホラと出てきます。


「〜操体のテクニックで腰の痛いの一発で直したって何にもなんねえものね。

そういうふうにちゃんと仕組みがなってるっていうことをまずわかってもらわんと

〜そういう仕組みがちゃんと組み立てられてあるんだっていうこと。

産んでくれたお母さんがあるっていうこと。

だから、その大自然のおっかさんと握手しなくちゃダメなんだ〜」

(『地湧きの思想2』 柏樹社 より)


なるほど、大自然のおっかさんですネ。

そのおっかさんの心を知るということ。

もしかしたら、それが本当の母心ということなのかもしれません。


そして、施術にしても、人間は神サマが創ったものだとしたら、

浅薄な人間のアタマであれこれしようとしたって

思うようにいかないのも当たりまえのことなのかもしれません。


ですから、その仕組みを知るということが肝要であり、

操体のテクニックで腰の痛いの一発で直しても何にもならない」という

橋本先生の言葉の真意を、よく理解していくことが大事なんだと思います。



中谷之美