昨日の続き
五臓というのはお互いに親子関係にあり、子の具合が悪くなると親が助けようとする。 それと同じように肝臓の具合が悪くなれば、その疾患を親である腎臓に引き受けてもらう、つまり腎臓に病変が起こってくる。 それは、副腎皮質ホルモンにも影響することになり、スタミナが落ちて疲れやすく、からだはいつも疲労状態に陥ってしまう。
このように腎臓が弱ってきた場合に、その腎臓だけをターゲットに治療を試みてもうまくいかない。 なぜなら、そもそもの根源、悪くなっている肝臓を治してやらないといけないからだ。 腎臓が親として助けているこの段階では、病院で肝機能検査をしても異常数値は出てこないことが多い。
また、消化器が悪くなると、陰陽五行説での理論上は親である心臓が助けてくれることになる。 だがしかし、それが夏であったなら、心臓がため込んだ邪気を吐き出して病気を治そうとする季節になっている。 すると、消化器の邪気を心臓が十分に引き受けることができなくなる。 心臓が助けてくれない夏の季節、消化器は普段より食欲を落として負担を軽くしようとする。 こうして夏に食欲が落ちたり、痩せたりするのは、こういった理由によるものだということがわかる。
親子関係とは反対に、攻め合う関係もある。 たとえば、肝臓疾患に陥ったとき、その具合の悪さを消化器に押しつけようとする。 そのために弱ってしまった消化器は、食べ物を頼りに乗り切ろうとして異常に食欲が進むことになる。 そうすると、消化器が肝臓に攻められたために食べ過ぎて太ってしまう。 逆にいくら食べても太らない、いわゆる 「痩せの大食い」 の人は、肝臓の疾患が消化器をかなり攻めていて、食べても追いつかないので栄養にならない、という仕組みになっているわけだ。
五臓の特徴と相克関係
相生(親子関係)
木 春 肝臓・胆のう 性格:傲慢、イライラ、不眠
親
↓ 助ける
子
火 夏 心臓・小腸 性格:冷酷、思いやりがない
親
↓ 助ける
子
不断
親
↓ 助ける
子
金 秋 肺・大腸 性格:強欲、メソメソ、悲観的
親
↓ 助ける
子
水 冬 腎臓・膀胱 性格:恐怖、不安感、スタミナ不
足
親
↓ 助ける
子
木
相克(攻めあう関係)
木 青色 酸(すっぱい) 春 肝臓・胆のう
性格:傲慢、イライラ、不眠
↓ 攻める
性格:利己的、優柔不断
↓ 攻める
水 黒色 鹹(しおからい) 冬 腎臓・膀胱
性格:恐怖、不安感、スタミナ不足
↓ 攻める
火 赤色 苦(にがい) 夏 心臓・小腸
性格:冷酷、思いやりがない
↓ 攻める
金 白色 辛(からい) 秋 肺・大腸
性格:強欲、メソメソ、悲観的
↓ 攻める
木
明日につづく
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