東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

足元から始める[岡村郁生(おかむら いくお)]

皆様、本年も東京操体フォーラムをよろしくお願いいたします。

早速ですが、今回のブログテーマは「愛」
それも「操体」につながって、俗っぽいLOVEではないように・・・とお
達しがあります。それに沿うように書いていけるかどうか(笑)
ともかく正直に参りますので、一週間よろしくお願いいたします。

さて皆様、今年も十日経過しておりますが、年末からお正月にかけて、
どのように過ごされましたか?
・・・ほう、御旅行ですか、いいですねぇ。しかも海外ですって!あら、
意外にセレブなんですねぇ。いや国内だからですって?いやいや国内
でも「環境」が変えられるなら、気分も意識も変わってきますからねぇ。

え?私ですか・・・よくぞ聞いて下さいました(笑)
実は、昨年末から今年のお正月にかけて、ずっ〜と読書ならぬ写経を
しておりました。私の言っている写経とは、本を書き写すことです。
この写経、行っていると何回も音読しつつ書くことになるのです。


実は昨年末のこと。月に一回の実行委員勉強会三浦理事長は、合気道
植芝盛平先生の口伝を「写経」しているという話をされていまして、
その話で・・・ハタと思いだしたことがあったのです。

東京操体フォーラム実行委員の方なら聞いたことがあると思いますが、
操体を勉強し橋本敬三の哲学思想を本気で学びたい人間は、橋本敬三
のどの著書でも、一冊丸ごと写してみなさい」と言われていた事を。


まあ、この事をはじめて聞いたのは5年ほど前だったかもしれません。
私はそれからも毎年「この中で写した者は何人いるのか?」と聞かれるた
びに、今度こそ!と焦ってやり始め、いつの間にか止めてしまう。

結局、いままでどうしても続けられなかったのですが、それは何故か?
それは必ずといっていいほど、心で言い訳を作っていたからなのです。

『なんでこんなことをしなければいけないんだ?何回も読んでいるし、
第一、俺は経営者で家庭もあって、仕事だって朝七時には行って夜は
九時前に帰ったことなんてないじゃないか!忙しいんだ!』・・と。


「師のいうことは白いモノでも黒いといえば黒と言える素直さを持て」

私はこのような意味をどうしても素直に受け取れず、葛藤してしまう。
写し出して三日も経過すると、どうしようもなくイライラするのです。
とても素晴らしいことを書いているのに、心は悪態をついている。
そんな自分に嫌気が差してくる、その繰り返しだったのです・・・。

そして、昨年末に三浦理事長は「書き写した人間は手を上げて!」と、
また私に尋ねたのですが、いまだに私は書き上げていませんでした。

ああ、またか・・・俺は一体何年操体を勉強してきたんだ?俺は・・・俺は。
それが、俺の操体なのか?俺はそんな程度の人間だったのか?俺は。
俺はエラそうに操体を十五年以上学んできましたなんて言えるのか?

自分に腹が立ち、私は情けなくなり、ハラを括ることに決めました。
年末から正月にかけて書き続けよう!読書も酒も遊びも、全て止めて
とにかく終わるまで、書き写すことを"第一"に優先させよう。
言い訳はもうやめて、とにかく一心に”禊”をしてみようと・・・。
                           (続く)             
            
では、写経について書き連ねる1週間、よろしくお願いいたします。


※愛の一言:社会全体に奉仕するという立派な夢を抱くならば、まず
     自分の足元に、幸福という基礎を築くことから始めよう。