おはようございます。
生き方の自然法則を究明し、それを応用して、変化する環境に適応出来るようにしていくのも進化であると思います。そして、その進化には究明した自然法則を更に原究するという深化が伴います。
つまり、時代背景やそれに伴う環境が変わったからといって、新たに自然法則をつくりだすというのでは、自然法則としてとおりません。また、ある人にはそれが適合しても、違う人には適合しないというのも、自然法則ではありません。
自然法則にそのような矛盾はないのですから、究明した自然法則を更に細かく奥深くまで深化させ、その環境に適応するものとしていかなければなりません。
なぜ自然法則を深化させていかなければならないか。それは、ここ数日書いているように、今を生きる人達に自然環境への順応性が薄れてきており、その為に様々な環境、空間にも上手く適応できずにアンバランスとなり、からだの不調を招きやすい状況となっているからです。そして、その状況は親から子へ世代が受け継がれるごとに顕著になり、ますます間に合わなくなっていく可能性があるからです。
自然法則を深化させる。生き方の自然法則の中には、「動」の法則である身体運動の法則があります。これは般若身経とも名付けられておりますが、どうしてもそのやり方と効果の方にばかり目が行きがちです。しかし、大切なのはどういう目的で操体創始者・橋本敬三先生の頃より体系づけられ、研究がされてきたかという事です。
やり方だけ覚えて、そこに自分勝手な知識の動きを付け加えてしまうと、それは自然法則ではなくなってしまうんですね。かえってバランスが崩れてきます。自然法則の応用貢献にもつながりません。
般若身経には、自然体としてのあるべき姿を問いかける、という大目的があるんですね。
そして、その中で当初より位の一番にあるのが、重心を安定させるという事です。環境にある普遍的な重力との調和が、まずはじめに唱えられているのです。
想いを巡らせれば、この重力というのは人間が地球の上で生活する以上、その影響は不変なんですね。どんなに人間の暮らしの時代背景が変わろうと不変ですし、家にいる時も、職場に行っても、働いている時も、休息している時も、いつも普遍的影響と恩恵をうけているんですね。
春季東京操体フォーラムでも、先ごろ行われた操体曼荼羅でも、橋本敬三先生の高弟である三浦寛先生は、重心の不正は「息」「食」「動」「想」をはじめ全ての不正につながる、とおっしゃっていましたが、おっしゃるとおりであり、環境に普遍的な重力と、いかに善く調和するかはとても大事な事だと感じます。
また、これからは重心の適正化をいかにはかっていくかだ、ともおっしゃっていました。身体運動の法則も、いつの時代でも人々が環境に順応していけるよう、深化させて進化させていくべきだという事なんですね。それでこそ応用貢献が成るのだと思います。