東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

感じるミタテ。

おはようございます。

 

昨日は去年の夏にオーバーヒートした時に感じたことを書きましたが、やはり何事にもバランスというものがあるようです。

車でも、年数が経ってくると相応に故障しやすくなってきます。まだ新しい状態の時であれば、突発的に一部のパーツが破損しても、その部品交換だけで済むことが多いでしょう。

しかし、ある程度の年数が経ち、全体的にくたびれてくるとそうもいかなくなる。

 

一部のパーツを交換して、そこだけ力強くよみがえっても、他がその力強さについていけなくなるという事がある。一部が力強くなった分アンバランスを招き、かえって他のパーツの消耗、破損につながってしまう。

系統的にもみて、こちらもそろそろかな、というところは損傷が見られなくとも、交換しておいたほうが良いようです。

 

では人体に関してはどうでしょうか。こちらは車のように、壊れたら交換とか壊れる前に交換しておくというようにはいきません。

病んだ部分を交換という了見ではなく、からだが回復、改善をより良く行えるよう、サポートする必要があります。

治すのは、からだなのですから、どのような治療法でも、からだのサポートという観点をおざなりにはできないです。

 

操体臨床では、このサポートをどのようにするかというミタテが重要です。からだの歪みを系統的に診て、今の症状、疾患にこうつながっているから、こうしよう、という診立ても大事ですが、それを踏まえたうえでもっと大事なのは「からだは、今、どのようにしてほしいのか」という要求を感じとって対応するという、感じとるミタテも大事なのです。

症状、疾患が多岐にわたっているほど、この感じとるミタテというのは重要であり、最小エネルギーで最大の効果をもたらす為にも、なくてはならないものなのです。