東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

私の操体史(六日目)

また、私が痛感したのは「操体のすごさ」でした。
第一分析と第二分析、第三分析は、まるっきり違う。

言葉だけで「快方に動かして瞬間的に脱力」と言っているのは「楽な方」であって、決して快方向ではなく、快方向は二者択一ではない、色々なことを含めて「操体における快」ということを深く考えることになりました。
 
 
当時の私の受講生の中には「何で今までやっていたものを変えるのか」という人たちもいましたし、強烈に頑固に、私自身が次のステップにいこうとしているのに、自分の知っているやり方にこだわる人もいましたし、
受け入れがたいという人もいましたが、そういう人とはさようなら、ということです。
 
また、それらの方々は、渦状波をバカにしていましたが、その後「皮膚を捻る」「皮膚を絞る」とかに手を出したようで、「捻るとか絞るって刺激じゃん」と私は少しトホホな気持ちになりました。

 
今でもたまに間違えて?そういう方々のサイトとか見てしまうと
「きもちよさを探す」←(さがすんじゃないっつ~の)と言っているようです。
 
「きもちよさを探す」「きもちよさが出てくる」と書いている人は、操体における「快適感覚」のあり方を理解していません。
 
もう一つ。私は彼らからあることを学びました。彼らは、運動能力に長けているとか、武術や格闘技をやる人が多かったのです。
 
 
  1. からだを壊している人は、そもそも運動能力に長けているとは限らないし、長けていてもそのレベルが落ちている
  2. 運度能力に長けている人は「ほら、こうすると体が自然に動いてくるでしょ?」と言ったりすることがあるのですが、症状疾患を抱えている被験者の場合、それどころではないことが多いので、被験者が「動いてこないしわからない」ということになり、自信をなくしてしまうこと
  3. また、運動能力に長けている人は、きもちよさも聞き分けやすいようで(彼らは何故か一様に「きもちよさが出てくる」と言います)、「ほら、気持ちよさが出てくるでしょ」「きもちよさを探して」という指導をしているようですが、普通の人や、症状疾患を抱えている人はそういうわけには行かないということです
  4. つまり、元気で運動能力が高い方のメンテナンスなどはこれでいいのですが、体力がない方や、何か問題を抱えている方には「操体ってわからない」という感じを与えかねないということ
 
★その後も色々調べましたが、運動能力が優れた人は、快適感覚をききわけやすいし、無意識の動きも発動しやすいことがわかっています。
 
 
★「原始感覚」に近いということなのでしょうが、現代の人間はそれが鈍っていて、トラブルを抱えているわけですから、快適感覚もききわけにくいし、無意識の動きも発動しにくいことがあります。
 
一方、身体能力に優れた方は「自分ができるから、相手もできる」と思うのです。
これは、大きな間違いです。
 
これは「身体能力の高い方」の一人、元総合格闘家の某氏に聞いて確認したことですが「自分ができるから、相手もできると思った」とのことでしたが、通じないことがあって困ったことがある、と言っていました。
のちに某氏は「やっとわかった」と言っていました。
 
 
「きもちいいでしょ」という、操体施術中の、操者の決めつけや押しつけ(きもちよくないのに、きもちいいかとしつこく聞かれてイヤになったという話は、ゴマンと聞きます)、「からだが勝手に動いてくるでしょ」(動かない人もいますが、それと感覚は別モノです)というようなものも「運動能力が優れている人の落とし穴」かもしれません。
 
ちなみに私はスポーツプログラマと健康運動指導士の資格を持っています。
この二つはどう違うかというと、スポプロは、文科省系です(私が取得した頃は文部科学大臣公認資格でした)。文科省は、Sports for All(みんなにスポーツを)というのを謳い文句に、スポーツを推進しました。こちらは、スポーツが好きな人にスポーツを勧めるのですから、当然のように簡単です。相手はスポーツしたい人だから。
これが、先の「運動能力に長けたスポーツ寄りの操体指導者」です。
 
もう一つ。健康運動指導士というのは、例えば心臓病の方のリハビリプログラムや、運動が嫌いな人、運動が苦手な人に、心理的な手法も使って、どうやって習慣にしてもらうか、というような働きかけを求められます。
運動好きに運動を勧めれば、勝手にやってくれますが、運動嫌いに運動を勧めるのは大変なのです。運動をする理由よりも、やらない理由を考えるからです。
 
運動嫌いに運動をやってもらうには。これは大きな課題です。

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さて、操体をセルフケアでやってもらうには、どうすれば良いでしょう。
「からだにいいからやれ」と言われても、運動系が嫌いだと、イヤになります。
 
「きもちよさ」をききわけ、味わいにくい方に、どうやって提供するか、なのです。
 
 
 

今年も操体マンダラ、海の日に開催致します。

※「操体マンダラ」とは?

三浦寛が一日、操体の最新情報について語る、操体三昧の一日です。 弟子一同にとっては「師匠孝行する日」。

 

昼食会 サイン色紙&ツーショット撮影会

足趾の操法®アドバイザー認定

開催日時:2019年7月15日(月)海の日 10時〜21時 ルーテル市ヶ谷センター

★予約制で、当日の参加受付はありません。ご注意下さい

https://www.sotai-miura.com/?p=1314