東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

体操ではなく操体だもの⑥

続きです。

 

「実際は、受けるだけでなく、学ぶんですよ。

 感じているのは生命で、『からだ』はその為にあるのですから。

 

 それを『ききわけていく』のです。普段の仕事や日々の生活で、

 忙殺されている時は、『からだ』にききわけていないんですよ。

 

 そこで、アドバイスを一つ。 

 聞いたことと、理解することは違いますよね。同様に、知ってい

 ることと、腑に落ちたことは違います。 

 

 あなたの『からだ』に『ききわけた』全ては、循環ですから、巡

 り廻って、くぐりぬけて腑に落ちるのに、時間がかかります。

 

 私が操体の臨床を、とても魅力的に感じることの一つとは、その

 ききわけた『感覚』を、共有して受け取ることもできるからです。

 ええ、何も返しませんよ、きいて、ただうなずくだけなんです。

 

 私もあなたも、誰でも、人は失敗するもの。

 失敗は、普段の生活で生じてしまった、病態や症状みたいなもの。

 人は失敗すると、すぐに取り返そうとします。

 必死でそれを拭い去ろうとして、あわててしまうものです。

 

 早く、はやく、結果だけを急いで求めてしまいがちですよね。

 それでは拭えず、また同様の失敗を繰り返しているんですよ。

 

 操体は、人を空っぽにしてくれるんです。

 その語源から『からだ』ができているようにね。

 

 そうしてあがいているうちに、その経過も必要だったんだと、

 『からだにききわけて』あなた自身が気づくときはあります。

 結局、そういうことなんですね。と」

 

 と、まぁ、こんな感じですかね。

 厳しくも優しく暖かな真実を、橋本敬三師も残されています。

 

 ―生きる責任を知れ―

 

 

                     続く