こんにちは。畠山裕美です。今週一週間よろしくお願い致します。
「世の中の90%の事は、グーグル先生に聞けばわかるが、操体はグーグル先生に聞いても分からない」By 畠山裕美
よく受講生が「操体を家族や友人に説明するのが難しい」と言います。
何と言うか、とても素晴らしいものなのだけれども、核心をついた説明ができないということと、手技療法系をやっていると言うと、ほぼ100パーセントの人が「整体と違うんですか」と聞きますし、親指で指圧するポーズをとられたり(かなりの確率)、「マッサージ」だと思われ、親戚のオジサンに「揉んでくれ」と言われて、ブチ切れそうになったこともあります(笑)。
一方、私は東京生まれなのですが、親戚の多くは宮城や仙台に住んでいます。操体は仙台がお膝元ですから、私の仙台の叔母が、今先生の治療室に通っていたとか、そんなこともあるのですが、仙台の従姉妹などに聞いてみると、操体の認知度はかなり高いようです。
この場合聞いてみると「楽な方に動かして、瞬間的に脱力」という、第一分析という古典的なやり方がメインだということがわかりました。
まあ、橋本敬三先生がなさっていたのだから、当然と言えば当然です。
元々操体は、正體術(整体とは異なる)という、力をぐっと入れて、瞬間的に脱力することによって骨格の歪みを正すという矯正法を源流とします。実は、楽な方、動かしやすい方に動かして、脱力に導くという方法は、骨法(わからない人はGoogle先生にきくべし)などの古武術の時代からあったようです。それを、大正時代に高橋迪雄(たかはしみちお)先生が体系化し「正體術」としたわけです。操体の創始者、医師橋本敬三は、昭和初期、函館にいたときに、友人のお父様が高橋迪雄先生の高弟の施術を受けて元気になったという話を聞いて、興味を持たれたようです。
なので、正體術から第一分析時代は、「楽な方に動かして、動きをたわめて、瞬間急速脱力する」という説明で足りるわけなんです。
しかし、第二分析以降になってくると「感覚」と「快」という概念が入ってくるため、一気に説明のハードルが上がります。
感覚、というのはパーソナルなものだから。なので、説明が大変なのは当然といえば当然なのです。というわけで、個々人の「感覚の差」を加味して説明しなければなりません。
そこが「説明しがたい」というところではないでしょうか。その他にも操体は、単なるテクニックではなく「橋本哲学」とでも言うものがあります。
受ける方は、素直に、からだの要求に従って受けて頂ければよいのです。