少し前の話になるけれど、
朝の通勤途中、時間に追われて最寄り駅に向かう途中で遭遇したこんな光景。
3歳くらいの男の子だろうか、
ベビーカーを押しているお父さんに向かって、
「ちょっと、とまって~」
としきりに伝えていた。
それまで保育園に向かって、急いでいたのかな。
お父さんもほとほと諦めたようで、ベビーカーを押す手をいったんとめた。
「どうしたの?」
すると、男の子はこんな風にこたえていた。
「くもがうごいてるの、みたいの」
その日はたしかにきもちのいい晴天で、雲はもくもくいきいきとしていて、
何かしばらくその様子をみつめていたいような素敵な空が広がっていた。
その瞬間、それまで急いでいた気持ちやら
肩の力やらが、妙にストンと抜けたような、
そんな空間が生まれたような気がした。
時間にしてほんの数秒かもしれないけれど、
お父さんも「なるほど」と言った感じで
男の子としばらくの間、一緒に空を眺めて、
呼吸を整えて再びベビーカーを押し始めていた。
たしかにそうだ。
ベビーカーが動いていては、雲がうごいているの見えないよね。
いったん立ち止まることで見えてくる、
感じられることもあるよね。
今日はこれから春季東京操体フォーラムが、はじめてWeb配信という方法で開催される。
一旦足をとめて、雲を眺めて、何かを感じるような
そんな一日になればいいなと感じている。
2020年春季東京操体フォーラム はWeb配信で開催致します。