東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

七日目 原始感覚と免疫力。

今までも、色々な人と操体を通じてお付き合いがありました。

 

その中でも、操体の勉強が長く続いている人には共通点があります。

 

「操体を損得勘定で考えていない」のです。

 

ある方が「(何事も)一人前になるには、桃栗三年柿八年で、十一年」と言っていました。

これは、確かだと思います。

 

損得勘定で考えると

「二年勉強すれば独立開業して稼げるかな」と、思うので「十一年」と聞くと「え?そんなにかかるの?」と驚きます。

 

なお、十一年しなきゃ開業できないというわけではなく、その道のプロになるなら、それくらいの覚悟は必要だよということです。念のため。

  

 

例えば鍼灸師や柔道整復師にせよ、三年は学校に通うのですから、そうでない場合は、それなりにかかるはずです。

 

20年位前、三浦先生の講習に参加しているのは、鍼灸師や柔道整復師などの有資格者が殆どでした。実際に免許を持っていて、開業しているので、東洋医学や整形外科的な基礎知識はある。患者さんも診ている。そういう方が参加していたのです。

 

三浦先生は50年以上、半蔵さんや岡村さんは20年以上、三浦先生の講習や個人レッスンや勉強会に参加しています。友松さんや日下さんも相当長いです(更に言えば、この方々は、操体の勉強の前に、国家資格を持っていたり、専門的な仕事をしていたりと、すでにその道のプロでした)。

 

この方たちは、操体を損得勘定で考えているのではなく、好きで、勉強したいから、勉強しているのです。

 

これが、原始感覚です。

好きか、嫌いか(快か不快か)。

 

正しいか、正しくないか。損か得か、でモノゴトを考えて生きると、苦しくなります。

 

昔から、手技療法や職人とかアート系の世界で言われるのが「何年でメシが食えるようになりますか」と聞く奴は成功しない(やりとげられない)ということですが、これは確かです。

 

操体は、損得勘定で勉強しないことです。

 

損得で考えるのならば、世の中には、テクニックで上手い商売をしている人はゴマンといますので、そういう人のところに行けばいいし、短期間で操体のテクニックを教えてくれるところもあります(ほぼ第一分析ですが)。

 

また、操体の勉強が辛くなる人がいます。

 

私も何人か見てきましたが、辛くなるのは、自分が期待していたよりも、操体の習得には気長な姿勢が必要だからです。

 

操体の勉強が辛いのなら、やめてもいいんです。

 辛いのは、自分を偽っているからです。

 

操体が好きなのではなく、操体を覚えるとトクしそうだから、とか、治療家は感謝されそうだからとか「損得」「正しい正しくない」あるいは「他者の評価」という理由で、操体を選んでいるからです。

 

なんか知らんけど、好き。

 

この辺りが、免疫力にも関係あるな、と私は睨んでいます。

 

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一週間ありがとうございました。

明日からは三浦寛先生です。