東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

般若身経(7)時代とともに変化する

橋本敬三先生が映っている動画で、先生が庭先で般若身経らしい?ものをやっているものがあります。
 
多分、まだ「般若身経」という名前はついておらず、中心集約運動とかそのあたりのものだと思います。
 
驚くのは、後屈時、手を上に上げ、首から起こしていることです。
中心集約運動は、多少「鍛錬」の要素もあるので、納得しました。
やってみるとわかりますが、後屈時、手を挙上して後屈し、首から起こすと、首から肩に負荷がかかります。
かなり鍛錬的な要素が強いことがわかります。
 
これは橋本敬三先生が50代後半とか60代の頃かもしれません。
 
橋本敬三先生が50代の頃言っていたこと、60代の頃言っていたこと、70代、80代、90代に入って言っていたこと。
これは変わって当然です。
何故変わるかといえば、ご本人のからだも変わるからです。
三浦先生を見ていても、その変化はわかります。
 
真面目に取り組んでいれば、
「今までのままで良い」とは思わないはずですし、よりよい進化を求めるはずです。
 
その証拠が「からだの設計にミスはない」の「膝のチカラをホット抜く」の追加だったりします。
 
なんで「ホッ」なのか。
 
力ませないためです。
 
これは「ぎゅ~っと力んでから、脱力!」なのではないのです。
リラックスした立位から、さらに膝のチカラをホッとゆるめるというニュアンスが感じられます。
 
なお「般若身経」にも色々なバージョン(操体法東京研究会)がありますが、私自身は、指導の際、その方に合わせて
チョイスしています。
あまり難しいと、普段の生活の中で活かせませんから。
 
一つだけ注意すると、般若身経で、瞬間急速脱力するのは、ナンセンスです(これを書くと長くなるのでまた今度)。
多分、両手を挙げてバサッと落とすのがあるので、前屈後屈、捻転側屈でも瞬間的にバサッと抜くんだと勘違いしているのだと思いますが、
バサッと抜くのは両手を挙げる時だけです。他は自然にもとの位置に戻ります。
また、私自身は「両手をバサッと落とす」のは、色々な理由(瞬間脱力にこだわっていないので)で、指導していません。
 

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一週間ありがとうございました。
明日からは三浦寛先生です。
 
畠山裕月芳鏡拝