今はもう懐かしささえ感じられるわら半紙1枚に「般若身経」とタイトルのついた図入りの資料を私も1枚持っている。
橋本敬三先生は当時自身の学問してきたことのエキスをこのビラ1枚に集約させ、配布していたのだと聞く。そこには、身体運動のことのみならず、「生き方の自然法則」として呼吸、飲食、精神活動のことに及ぶことまで要点が描かれている。
(興味のある方は、「生体の歪みを正す」の「般若身経(健康の自然法則)」をご参照ください)
運動系の歪みを正すという「治療」行為だけにとどまらず、歪みの起こる原因、
そこに橋本先生が目を向けている様子が浮んで来る。
このビラを通して、目の前にいない人の生き方にも何かを投げかける事をしていたのかと、橋本先生の壮大な臨床観を感じさせてくれる。
「般若身経」は橋本先生から渡された提出無期限の宿題のようだ。
でも、「やるやらねえはテメエの勝手」という委ね方であることが、猶の事、響くものが在る。