東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

「からだ」が「動く」にあたっての取扱説明書

おはようございます。

瀧澤さん一週間のメッセージありがとうございました。

本日からバトンを受け取って寺本が担当します。

今期ブログのテーマは「般若身経を解説」です。

宜しくお願い致します。

 

操体に興味のある方や橋本敬三先生の著作に触れたことのある方ならば

どこかで一度は目にしたことがあると思います、この「般若身経」というキーワード。

 

4つの「息(呼吸)」・「食(飲食)」・「動(身体運動)」・「想(精神活動)」という基本的に自分以外の誰かに変わってもらうことのできない営み。そのなかの特に「動(身体運動)」に関わる事柄に関して、橋本先生が長年かけて学問し、解き明かしてきた「からだ」が「動く」ことにまつわる基本的なルール。これをできるだけシンプルにまとめあげたものからスタートしています。

 

前述のブログでも触れられていますが、創始者の編んだ内容をベースにして、この「般若身経」は練り上げられ、必要があれば変化を続けています。過去の遺物として大事にされているわけではなく、現在に至るまで、からだという生命存在に照らしあわせながら大切にされてきました。

 

私はこの「般若身経」を想う時、「からだ」が「動く」ということに関するとてもシンプルな「取扱説明書」のようなものを連想します。私自身、操体を通してからだについて学習するまでは、からだの使い方や動かし方にルールがあるなんて思いもよりませんでした。そのルールの基盤の存在に、橋本先生は目を向けた先駆者だったのではないかと思います。

 

私たちがこの世に生まれたときに、一緒に「取扱説明書」が送られてくればいいのですが、誰もそのようなものは与えられません。操体では「般若身経」を通して、操体に出会った人に「からだ」と「動き」に関する取扱説明書のようなものを伝授しているのだと思います。