「補中益気湯」
その原典は「内外傷弁惑論」「脾胃論」、名の通り中焦(胃)を補い、気(元気)を益す薬で、すべてに力なく、倦怠感の著しい人に用いられます。
別名「医王湯」とも呼ばれ、古今名方中の傑作とされています。
種々の解説本を読んで要約すると「身体が虚すということは、脾胃が虚すということである」となります。
『勿誤薬室方函口訣』(浅田宗伯)によれば、小柴胡湯証の虚証の場合に用いなさい、となっています。
「小柴胡湯」は、少陽病(外証(胸部の症状)が常に存在し、表位(頭、頚、肩背)と裏位(中焦)とに病邪が往来して発言する陽病)の代表的漢方です。
脈弦、白苔
口苦:口が苦く感じる
咽乾:咽喉が乾燥すること
目眩:めまい
往来寒熱:悪寒と発熱が交互に現れる熱型
胸脇苦満:胸脇部が悶満してすっきりしない状態(柴胡剤を用いる大切な目標★)
黙黙不欲飲食:気分が重く、だまりこくっており、飲食物を欲しようとはしない
心煩:心中が煩躁・煩悶して、胸が苦しく感じられる
喜嘔:たびたび吐く
などの症状があります。
この証の虚証タイプであるので、
脈芤(散大無力)、往来寒熱や胸脇苦満は少なく、消化機能が衰え、手足倦怠、腹壁軟で動悸を触れる状態にあります。
2020年秋季東京操体フォーラムは11月23日(月)勤労感謝の日 オンライン(zoom)開催致します。テーマは「操体法クロニクルズ」他。
登壇 三浦寛、半蔵、岡村郁生、瀧澤一寛、三浦寛幸、寺本雅一、畠山裕美他