今回のフォーラムでも話題になると思いますが、シンメトリーとは大雑把に言って「左右対称」、アシンメトリーは「左右非対称」のことを指します。
アート(建築なども含めた大きな分野)を考えた時、シンメトリーというのは大きなポイントだと思います。
自然界には、厳密な意味でのシンメトリーは存在しないのです。
しかし、昔から「シンメトリーに限りなく近い」ものが作られてきました。
古くはピラミッド、ゴシック系の建物とか。
遡ると、キリスト教、ヒンズー教(仏教も少し入る)、中国の神仙思想などは、
「自然の摂理である“死”を超克する思想」と言っていいようです。
つまり、「完全」を求めます。
(アダムとイブの楽園追放あたりからの話になるようです)
ゴシック建築のキリスト教の教会が天に向かっているのは、そのためだそうです。
古代エジプト(ピラミッドは左右対称です)も、死後の世界を考えて、なきがらをミイラに加工しました。
一方、仏教が入ってくる以前の日本の古代神道は、木や岩や山そのものをご神体としていました。
つまり、自然崇拝です。
日本人は「自然と死を受け入れる」という思想があったのです。