東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

「ひだり6 ~歪みに対する捉え方~」

最近の臨床では「ゆがみ」の見方・捉え方を少し変えてみています。

 

からだという肉体現象を左右対称に比較し見ていく捉え方ではなく、いかに呼吸のバランスを取るかという観点から臨床を行うようにしています。

 

 

当然、臨床家としては患者が症状を抱えてきている以上、その症状を改善することを第一に考える必要があります。

 

しかし構造(つくり)を左右の差を無くすことが果たしてその目的に適うのかは常に疑問に思うことではありました。

 

シンメトリーな見方でからだを診ているとほとんどの場合は治療効果は長続きせず元に戻りやすいように見えます。

 

ではそうならないように元の元の原因を診る必要があるのですが、それを辿っていくと肉体というのは一つの結果であって、病を引き起こしているものではないように感じます。

 

目には見えないが誰でも使わせて頂いていて、この命には必要不可欠なもの、そして誰にでも感覚出来るもの。

 

その使い方、向き合い方に病に繋がる原因があるのではないか?

 

そんな問いかけから最近は「呼吸のバランスをはかる」ことを臨床の目的にし、からだの歪みもそのバランスをはかるためのものとして捉えるようにしています。

 

そうすることで必要な歪みと改善しなければならない歪みの識別がはっきりと明確になったように見えます。

 

またなぜ私達は「からだ」というの「体」ではなく平仮名で書いているのか、その理由も私の中ではより理解することが出来てきました。

 

そのような見方・捉え方が出来ているのも「ひだり」の世界から頂けるものなのだと思っています。