東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

「操体を説明する4 ~なぜ動かして診るのか?~」

一般的に操体の臨床の一つの特徴として「動かしてみる」という「動診」という診断法が認知されていますが、橋本敬三先生はなぜこういったことに着目し、診断と治療に活かしたのかを知ることが操体を説明することにおいて重要なことです。

 

以前のブログでも書きましたが、操体では人間の生命活動を4つ(息・食・動・想)に分け、これらが互いに同時相関相補し合いバランスを取りながら私達は生かされているということが前提にあります。

 

現在ではそれぞれの分野におけるスペシャリストはいますが、この全てのバランスに着目していることが操体の特徴でもあります。

 

では、なぜこの4つの命の営みの中の「動」なのか?ということです。

 

ここで4つの命の営みに昨日書いた「感覚」を照らし合わせていくと、「動」における感覚がからだの内部の感覚との繋がりを一番認識しやすいからなのだと思います。

 

 この「感覚」も病を患った状態と健康体では感覚が異なるように、からだに歪みがある状態で聞き分ける感覚とある程度歪みがない状態の感覚では本当のからだ声をキャッチすることは出来ないのです。

 

からだを主体にした正常な感覚を聞き分けることが4つの命の営みの循環を調和することに繋がるという捉え方をしていくと、「動」からアプローチしていくことにより、まずはからだの歪みを正していくことはとても理に適ったものであるように思います。