「あ~、また行ったり、来たりしている」と思うことは、学んでいると、何度となくやってくる。
修業中であったはずの「ON」が、気が付いたら「OFF」られている、
なんてことは日常度々起こる。
常にスイッチONでいるとへとへとになってしまうこともある。
何事も自分からOFFのスイッチを切れるというのは、必要な技術、素敵なことだ。
そうではなくて、気が付いたらスイッチが消えていて、
その消灯具合にすら気が付いていないことが多い、というのがちょっと悩ましい。
慌てて、「しまった」と褌を締めなおす。
これも私のなかで頻出する、行ったり来たりの典型。
こういうとき、以前、師匠から伝え聞いたある禅僧の逸話が何度となくリフレインされる。
どこかの国にこんな禅僧がいたそうな。
彼は行き交う人の目を見にせず、道端に立ちつくし、独り大声で何かを叫んでいる。
「おーい、人生の主人公よ!目覚めているか。」
「おーい、人生の主人公よ!惑わされていないか。」
という短い物語。
現代新宿の雑踏の中で、こんな独唱をしようものなら、変人奇人扱いされてしまうだろう。
たしかに、だいぶ強烈に変わっていた人だと思う。
でも、この禅僧の声には何度となく助けられた。
行ったり来たりの中で、自分なりのスイッチを編み出した人なのだと思う。
2022年4月29日(金)祝日
ハイブリッド開催(会場参加は、一般社団法人日本操体指導者協会会員優先)