おはようございます。
操体の創始者、橋本敬三先生が昭和の始め頃に書いた書物に、以下のような文面がある。
人が正しきにおれば容姿はおのずから端正となり、
骨格は整い、筋肉も拘緊するところなく、
内臓もその地位に安んじ、
機能は互いに相調和して、健康である。
この文面の内容を満たすには、全身体性のからだの動きと、それに相関する適正な呼吸が必要。
また、この内容だけでも、単線的な物事の捉え方ではなく、バランスが大事であり、生命現象とはバランス現象なのだという事が理解できよう。
バランス現象は動き、流れでもあり、同時相関相補しながら循環して像(カタチ)を成すものである。
よく臨床の場で、「この動きで腰痛が治るんですか?」とか「肩凝りにはどういう動きがいいですか?」とか、○○体操の類やストレッチをするようなニュアンスで、質問を受ける事がある。
しかし、気になる部分を単線的に何とかしても、その時は良いのだけれど、気になる症状が直ぐまたぶり返してくることは多い。
また、無理をすれば、却ってツラクなることも多い。
あくまで全体的な調和の元に、気になるところも良くなっていくのだから、生命としての全体のバランス制御に向くからだの動きを導き出す事が肝要。