東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

臨床と生活にいかす操体法・・・5

おはようございます。

 

健康のために歩いているという人は多い。

特に朝の時間帯は、定年を向かえ、これからの人生をたのしく健康に過ごしたいから歩いている、という感じの人をよく見かける。

歩く事は全身運動にもつながり、特に桜の花咲くこの時季であれば、良い気分転換にもなる。

何もしないでいるより、良いのは確かであろう。

 

何もしないでいるより、良いのは確かだろうが、見ていると何か危なっかしい人もいる。

実際、転んで打撲だけならまだしも膝の皿を割ってしまって、見かけないと思ったら、何か月も入院していたという人もいる。

また、寒い時季に頑張って歩いていて、心筋梗塞を起こして倒れてしまった、という話もよく聞く。

 

そうした人たちに共通するのが、足腰が弱っては困るから、頑張って足腰を鍛えようという考え方。

しかし、今までの不自然な癖のついた動きから頑張ると、無理をする事につながってしまう。
そして、怪我もしやすくもなる。

鍛えようとする前に、バランスを考慮する必要がある。

 

自分の意図する行動には、必ず調和に向けたからだの動きが関わっている。

このからだの動きに合わせるように行動出来るほど、バランス制御に向き、エントロピーの増大も防げてくる。

逆に、からだの動きと噛み合わなくなるほど、バランスは崩れ、壊れやすくなってしまう。

健康に良いと思って行っている行動が、消耗に向かってしまったり、怪我もしやすくなってしまう。

そうした状態からの無理は禁物である。
やらない方が良いというのではなく、からだにききわけながら行った方が良いという事。

 

どの様な状態に陥っていても、バランス制御に向けたからだの動きは生じている。

それに合わせて、全体的な流れ、循環を良くして、元々備わっている能力を十分に発揮させる。

臨床にもつうじる事だと思う。

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