東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

わたしの操体課外授業

こんばんは、今日も暑かったですね〜。今年は暑くなるのが早かったので、すでに軽い夏バテを何度か経験してしまった小代田が今晩も駿河の国からお届けします。ワールドカップで日本中が盛り上がる中、さて、今日は何をお話しましょうか。
先日地元の田貫湖で開催された「富士山!カラダの学校」というプログラムに縁あって参加させて頂きました(「富士山!カラダの学校」とは、富士山西麓田貫湖の豊かな森や湖、おいしい空気や水といった自然環境に包まれながら、楽しく健康増進をはかるという目的で始まったプロジェクトだそうです)。
このプログラムがスタートする時、地元の新聞で開催を知らせる記事が載っているのを見た。地元でそのような自然と健康をテーマにした体験型のプログラムが開催されるということで、以前からそのような取り組みに興味があった私はとても興味深い思いでその記事を読んだ記憶がある。しかし開催日が操体の講習会と重なっていたこともあり、その時は参加を見送った。
しかしご縁とは不思議もので、今回ひょんなご縁でこのプログラムに参加させて頂くことになった。それは以前のブログでも少し触れたアロマテラピー、そのアロマテラピーの先生を通してだった。
本来なら自然塾の敷地内の広場で、「五感で田貫湖の自然を感じながらアロマテラピーを楽しもう」という初めての体験のはずでしたが、当日は生憎の雨。「五感すべてで」というわけにはいきませんでしたが、それでも田貫湖の自然に囲まれた建物の中でアロマテラピーを体験するという、これまた初めての経験をさせて頂くことができました。
その講習会の中で、先生はいくつかの精油を用意されました。どれもアロマテラピーでは代表的な精油で、香りのイメージが分かりやすいものです。しかし今回はその精油の名前を隠し、嗅いだ香りの感覚やイメージをまず皆さんに表現してもらうことになりました。
私はもうその精油を知っているので、だいたいその精油がどんな香りで、一般的にどんなイメージを持たれる傾向にあるのか知っていました。
しかしそこで皆さんが出してきたイメージはその一般的な印象とはかけ離れ、しかもその内容はバラバラ。ある人は温かい感じ、ある人は好きな感じ、そしてある人は何だか呼吸が苦しくなるような嫌な感じ…。面白い表現をされる方もいました。「木が太陽に照らされている香り」とか「プラスチックみたいな香り」とか。
精油って実はとても化学的なものでもあります。ですから内容成分(化学成分)によってからだへの影響を大体想像できるものなのです。でも皆さんがもたれる印象や表現される言葉、からだで感じる香りの印象は私が想像したものとは大きく違うものでした。そしてそれぞれのからだが表現する見事に個性豊かな感性。正直ビックリしました。
操体ではからだの感覚を必ず相手に確かめていきます。それはひとりひとり感覚が違うから。同じ人でも時や問いかけ方が変われば、同じことをしても受ける感覚は違う。だから。そう分かっていたつもりだった。
でもこの日、操体とは離れた場所で、初めて会う人達から「なぜ操体ではひとりひとりの感覚を確かめるのか」「なぜわざわざからだに問うのか」教わった気がした。やっと分かったような気がした。
分かったつもりでいた。でも分かっていなかった。だって今頃そんなことを言っているのだから。でも気づいて良かった。だけどやっぱりきっとまだ分かったつもりなのだろう。だから学んでいくのだろうと感じている。
でもきっとやっぱり良かった。だってこれは私に密かに訪れた大きな変化かもしれない。操体を、そしてからだを知る大きなスタートになるかもしれない。そんなことを思った一日だった。
あの方たちは今頃何をしているのだろう。何だか感謝で一杯だ。そんなことを思いながら今日のブログは終わりにしたいと思う。2010年6月29日、あなたにとってどんな一日だったろうか。今日も一日お疲れ様でした。

小代田綾


8月28、29日は大徳寺玉林院にて「東京操体フォーラム in 京都」開催
9月18、19日スペイン、マドリードにて「操体セミナー in スペイン」開催