東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

闇夜の中で

こんにちは、京都の小松さんからバトンタッチ、本日からブログを担当致します、静岡の小代田です。
寒くなりましたねぇ、夕方からの急な冷え込みに実家に帰って早々、はやばやと出されたコタツにもぐりこんだ小代田でした。
寒さと引き換えに夜の空は日に日に冬の空近く、澄んだ空にぴかっと光る星。とっても綺麗な夜空をここ毎晩見ることが出来ます。
以前は春や夏が好きだった私ですが、最近はすっかり冬好きになってきました。
うだるような暑さ。そして万物全てを飲み込むようなパワーに押されるように駆け抜ける夏。そんな夏が大好きでした。
しかし今は自分を優しくペースダウンさせてくれ、自分と向き合う時間をくれる、そして大切な人達とゆっくり時を慈しむことが出来る冬が好きです。「寒いね」と交わす言葉に何だか嬉しさを感じてしまいます。
そんな寒さが増してきた昨夜、考え事をしていた私は何だか寝付けず、電気を消した布団の中で眠れないからだを持て余していました。
色々からだの向きを変えながら何時間過ごしたでしょう。真っ暗なんだけど真っ暗でない部屋。
最初は眠れぬからだと頭に「明日仕事なのに」と泣きたいような気分でしたが、時間が経つごとにこの静かな夜の中、シンとした頭で自分のからだを感じている自分がいました。
何だか不思議な気分。自分のからだって存在に初めて気づいたような。
当たり前なんだけど、寝返りを打つとからだや顔に感じる布団や枕の感覚が変わる。そのシワ、厚み、質感。
そして暗いんだけど、目を通さないんだけど、自分を感じる。自分のからだを、動きを、私に触れる全てのものを感じる。
私に触れるもの、それは物質だけでない。夜の冷たい空気やその中に混じるかすかな音。
しばらく暗闇なか目を開けて、目を閉じて、なぜか静かな頭でただ感じていた。
そしてふと気がついた。これは皮膚のお陰なんだなと。
今パソコンを打っているこの明るい部屋、そしてブログを書くことでからだの意識を目の前のパソコンに集中している私のからだは今、周りの空気と同化しているような気がしてしまう。
でも昨日の夜に意識をつなぐと、そこには皮膚を通して自己を確認している自分がいる。からだの内と外。私はこの皮膚で空気を、感触を、様々なものを感じながら自分と外を区別し感じている。
皮膚を通して外界を感じている。
当たり前ことかもしれないけど、私にとってとても不思議で素敵な時だった。
そんなことを思い出しながら、今日仕事中「この皮膚が何も感じてくれなかったらどうなるのだろう」そんなことを考えた。
「そしたら生きている気がしないなぁ」。そんなことを感じている自分がいた。
皮膚って、皮膚感覚って、今ここにある命を表現しているんだな、なんて。なんだかこじつけたような終わりになってしまいましたが、そろそろ初日のブログを書き終えたいと思います。ありがとうございました。

日曜日って週の終わり?それとも週の始まり?

どちらにせよ皆さんにとって過ぎた一週間、そしてこれから始まる一週間が良い日でありますように。
では一週間どうぞよろしくお願い致します。


小代田綾


新刊情報:皮膚からのメッセージ 操体臨床の要妙Part 2(三浦寛著)、たにぐち書店より発売。 
11月20、21日千駄ヶ谷津田ホールにて2010年秋季東京操体フォーラムが開催されます。
2010年8月、社団法人日本操体指導者協会を設立しました。