東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

新しく生まれた性

初めに、東北地方太平洋沖地震で犠牲になられた多くの方にお悔やみを申し上げるととともに、被災され悲しみ続くなか、今を懸命に生きていらっしゃる皆さまに心からお見舞い申し上げます。遠く離れた静岡の土地におりますが、今なおこの心は皆さまと共に。

日下実行委員からバトンタッチ、静岡の小代田です。日下実行委員のブログ、いつもながら深いブログでしたが、今回のブログには日下実行委員の愛への熱いメッセージを感じたのは私だけでしょうか。今日から、小代田です。またがらりとカラーが変わりますがどうぞよろしくお願い致します。
今回の初日は、自分の中に生まれた新たな性について書いてみようと思います。
それは操体の講習会の中で初めて渦状波を受けた時、生まれました。渦状波を受けた私のからだは、その問いかけに答え始めました。自分のからだは次々と手を動かし足を動かし、からだを動かしていきました。自分の意識とはまったく関係なく動く自分のからだが面白く不思議で、ただ素直にその反応を楽しんでいました。
無意識のその動きは段々自分の中で秩序を生み、舞を舞っているような錯覚を私に起こさせた。そしてひらひらと嬉しそうにからだは動き続けました。しかしなぜかからだとは反対に心はくつろぎ始め、とても穏やかな静かな感覚の中、とても満たされた気持ちになったことを覚えています。
無意識の動きにからだをゆだねていた私は、自分が実際どんな動きをしていたのか分からないけれど、私が無意識の動きから感じた「動きの感覚」は柔らかく、丸く、優しく、そしてたおやかだった。指先まで張りめぐらされた神経は手先の優しい動きを呼び、そして動くからだは自分の主張(我)はなく、相手に合わせ、その形を変え、そして包み込むような柔らかい感覚を私に与えた。その女性的な質を帯びた動きは私の心を穏やかに満たしていった。自分の動きに癒されていた。なんだか無条件に幸せだった。
前置きが長くなってしまったが、それが私が自分の性を初めて意識した時だった。性を今頃意識するというのは遅いのでないか?という声が聞こえてきそうだけれど、私が感じたのは性別の性、女性としての自分。
もちろん私は女の子として生まれ、女性として生きてきた。でも小さい時から男勝りで、小さい時は本当に男に生まれれば良かったと思っていた。そしてどこかでその思いが自分の中で流れ続けていた気がする。でも初めて受けた渦状波、そして無意識が導い動きは自分が知らずに遠ざけていた(意識的に避けていたのかもしれない)女性的な質を感じさせる動きであった。まるで今まで封印を解かれたようなその喜びに満ちた舞、そして動きに、私は知らずに心身とも満たされていた。やっと自分に戻れた。そんな安心感と嬉しさを感じた。
皆さんは自分の性と向き合ったことがあるだろうか?パートナーの性に向き合ったことがあるだろうか?
今週は今改めて自分の性と向かい合うことになった小代田が富士山の麓、富士宮から一週間ブログをお届けいたします。どうぞよろしくお願い致します。



小代田綾