東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

操体を初心者に説明する⑦ 「渦状波」

 操体には 「渦状波」 という皮膚へアプローチする操法がある。 これは操体操法の手法の一つであり、患者に軽く触れるだけでからだのヒーリングプロセスを大きく加速することができる。 そっと軽く触れるだけで痛みや炎症も軽減し、筋骨格系が整えられていく操法のことである。

 

 この渦状波を活用するためには特に呼吸と意識などを学ぶ必要がある。 そんな意識と肉体が合流する地点は量子レベルにあり、そこは、呼吸を通して意識と肉体にアクセスすることができる偉大な交流点になっている。 その肉体には37兆もの細胞が体内に摂取された酸素や食べ物を消化・吸収し、二酸化炭素や老廃物を排出している。 しかし、それらの細胞は再生や自己ヒーリングも行なっており、毎日が繁忙な時間を送っていることに感謝したい。 

 

 操体の臨床において、心身症的な患者や動きを八方に塞いでしまう急性の腰痛などは、皮膚に問いかけることでからだの治癒力はより本質的になる。 皮膚感覚というものは意識に上って来ない、いわば無意識のからだの本音に問いかけることであり、その無意識の中に疾患を治す本質がある。 それは筋肉が関与しないからだの動き、つまり、表現が生まれてくる。 そのようなメソッドを操体では渦状波と呼んでいる。

 

 最後に臨床家の立場から述べておきたいことがある。 それは臨床において、呼吸と意識のテクニックを入れていなければ、操者が、患者が持つ低い生命エネルギーの波動レベルへ下がってしまい、操者が自身の生命エネルギーを使い果たして疲れきってしまう可能性が高くなる。 故に操者は高い共鳴レベルを維持することを学ばなければならないことをつけ加えておきたい。

 

 

明日からは、三瓶実行委員が担当します。 お愉しみに!