東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

からだ(3日目)

昨日の続き
 エーテル体での好きと嫌いという両極性に気づくようになり、観照者でいることができるようになったとき、三番目のからだである「アストラル体」を知るようになる。アストラル体は星気体とも言うが、媒体は「磁力」であり、アストラル体の「息」だ。
武道を志している者なら、すでに気づいていると思うが、柔道では相手が無力になるときを見てとる技法がある。その時が攻撃の瞬間だ! 相手が力に満ちているときは、負けるに決まっている。相手の磁力が出てゆく瞬間を見てとり、そのときに攻撃しなければならない。そして自分の磁力が入っているときに、相手に攻めるようそそのかすのである。
この磁力の往来は呼吸と一致し、対応している。何か困難なことをしなければならない時、息を内側に保たなければならない。たとえば重いものを運ぼうと思っても、息が出てゆくときには持ち上げることなど到底できっこない。だが、息を吸い込んでその息をこらえているときにはそれができる。息はアストラル体のからだに起こっていることに対応している。だから柔道では息が出てゆくとき、相手の磁力が出ていっている瞬間である。そのときこそ攻撃の機会だ! これこそが柔道の秘訣である。相手がおびえて無力になるときの秘密を知っていたら、自分より強い人でさえ打ち負かすことができるのだ。磁力が出ているとき、無力になるのは当然のことである。だから、アドルフ・ヒトラーのような男でさえ無力なときがあり、死を非常に恐れていたという。逆にどうしようもない臆病者でさえ勇敢なときがある。
この磁力、磁性というのは、ある瞬間には力強いが、次の瞬間には無力になっている。ある瞬間は希望に満ちているが、次の瞬間には失望している。そして、ある瞬間は自身に満ちているが、次の瞬間には自信を一切失う。それは磁性が入ってくるのと、外へ出てゆくことなのである。磁力が入ってきているときは卓越している。逆に磁力が出ていってしまった時、取るに足らぬ人になっている。神をも、ものともしない瞬間があると思えば、影にさえおびえる瞬間もある。アストラル体というのは、ちょうど空気のような「磁力圏」に生きている。まわり中にある磁力を吸い入れ、吐き出している。この磁力に気づいた時、その両方を超越することができる。
また、この磁力は肉体の良能作用に密接な関係がある。遠隔治療といわれるものもアストラル体のこの磁力に関与している。呼吸に意識をつけて直接、磁力に働きかけて「強力」と「無力」のバランスを図り、自然治癒能力を正常に戻すことを目的としている。

操体には渦状波というのがある。渦状波は肉体的には皮膚への接触によってからだの自覚できない無意識に問いかけていくのであるが、この自覚できない無意識の緊張の解放は、からだの細胞が柔軟に本来の力が発揮できる状態を促すことにある。これはアストラル体の磁力に直接、働きかけているものだ。渦状波による操法では生命力の「強力」と「無力」のバランス受けて、自然良能作用が著しく向上するのを体感していただけるものと思う。
明日につづく


日下和夫


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11月20、21日千駄ヶ谷津田ホールにて2010年秋季東京操体フォーラムが開催されます。
2010年8月、社団法人日本操体指導者協会を設立しました。