皆さんこんばんは、今日も寒かったですね。でも寒い空気の中、葉も落ち、枝だけになった木々が凛とした美しさを見せてくれた一日でもありました。皆さん今日はどんな一日でしたか?
今日は最近担当させて頂いた患者さんの摩訶不思議?な出来事を書いてみようと思います。
最近訪問マッサージを担当させて頂くことになった患者さん、今年の8月に脳梗塞になり右半身に障害が残ってしまったというおばあちゃんです。おばあちゃんといっても見た目はとても若く、ついついお年を忘れてしまいます。
脳梗塞になるまで、一人で車椅子をこいで元気に施設内を動き回っていた方で、食べるのもとてもお好きなだという方です。でも脳梗塞をされてから右半身に麻痺が残り、車椅子はもちろん、一人でお茶碗も持てなくなってしまいました。言語にも不自由が出てしまい、8月からベッド
の上で一日横になり過ごしています。8月以来お話もしていません。
そこで訪問先の施設の看護師さんから少しでも症状の改善が出来れば、そして二次的な障害の予防になればと訪問マッサージを依頼されました。
さて、初めての対面。関節の拘縮や浮腫などはありませんが、下肢や上肢少し力を加えるだけでも表情を歪めます。上肢や下肢を自分でなかなか動かすことができません。言葉も出てきません。
うーん。それでもやる気はいっぱいの若おばあちゃん、その日は次のお約束をして別れました。
後日初めてのマッサージの日、やっぱり少しの力でも表情が歪みます。それではとマッサージはそこそこに切り上げ、2人で動いてみることにしました。
さて最初はなかなか動けなかった若おばあちゃん、力は残っているのにからだの使い方を忘れてしまっているように見えました。それでも一生懸命からだを動かそうとしてくれます。でも右手や右足だけを動かすのは難しそうです。
それならばと動かない右半身だけでなく動ける左半身と一緒に動きを表現してみようと言うことになりました。
その方が若おばあちゃんが動き易そうだったからです。
言葉でコミュニケーション出来ないので二人で表情とからだを使って一緒に動きを表現しました。
「上手に動けなくても良いよ〜、手だけじゃなく全身で動いてみ〜」。「バンザーイ、はい、グーチョキパー」と2人で顔とからだ全部で表現してみました。そんなことを繰り返していた時、突然若おばあちゃんにスイッチが入った。全身で何かを表現し始めた。
ベッドの中でゴロゴロバタバタと左右の手足、そして全身で動いてる。「おーい、そうじゃないよ〜」。でも何だか顔がとても気持ち良さそう。
それならばとベッドから落ちないように見守りながら若おばあちゃんのからだにお任せした。時折動きを介助してあげると若おばあちゃんはその動きを豊かにし、気持ち良さそうに全身を動かした。「動きたかったんだなぁ」その動きと若おばあちゃんの顔を見てふと思った。
その後しばらくバタバタしていた若おばあちゃんはパタリと動きを止め静かになった。顔もサッパリ。
「気持ち良かった?」、そう聞くと若おばあちゃんは顔をくしゃくしゃにしながら「うん」と表現してくれた。
さてさて、その後若おばあちゃんがどうなったか。なんと次の日車椅子で施設無内をグルグルと一日回っていたそうな。
お茶碗もまだしっかりとは言えないが持てるようになってきているとのこと。短くだけど言葉も出た。
看護婦さんから「たった一回ですごいねぇ、マッサージ効いたんだね〜」なんてお褒めの言葉を頂いた。
うん、私は何にもしていないんだけど。
皆さんはどう思いますか?これって偶然?私は何だか若おばあちゃんのからだに操体を見たような気がしたのでした。
そんなこんなで(どんなこんな?)今日はそろそろ一休みしようと思います。今日も徒然なるままに書いてしまいましたが、お付き合い頂いた皆さん、どうもありがとうございました。
では今日も皆さんとって良い一日でありましたように、そして今から迎える明日も素晴しき人生の一日でありますように。
今日も一日お疲れ様でした。おやすみなさい。
小代田綾
新刊情報:皮膚からのメッセージ 操体臨床の要妙Part 2(三浦寛著)、たにぐち書店より発売。
11月20、21日千駄ヶ谷津田ホールにて2010年秋季東京操体フォーラムが開催されます。
2010年8月、社団法人日本操体指導者協会を設立しました。