東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

社会進歩曲線をみてみる。


おはようございます。
今週は私の住む地域では最後まで曇り空がつづいてしまいました。これだけ曇り空がつづくと、暑くともサンサンと輝く太陽が恋しくなります。そして、湿った空気を呼きだし、さわやかな空気を吸い込みたくなってきます。
 空気といえば、去年の東京操体フォーラムin京都では、奈良操体の会の北村翰男先生の講義では、ペットボトルのお茶を半分ほど減らし、「お茶は減ったが増えたものがある、それは何かわかりますか」と参加者に質問しながら、目には見えないけれど大切なものが増えた、それは空気である。という解りやすい例えから、目に見えないものを意識することの大切さや、目には見えないが自分たちを生かしてくれている存在の有り難さを、教えて下さいました。大変勉強になりました。今年はどんなお話を聞かせていただけるのか、今から愉しみにしております。

『生体の歪みを正す〜橋本敬三論想集』の340ページから342ページには「人間悲願の達成へ」と題した20の項目にわたる理念や提言が記載されています。これは1977年に「日本医事新報」に発表されたものですが、その中には1971年に月刊プレジデントに所載されていた「社会進歩曲線」という、立石電気(現オムロン)・未来接近法グループによる未来予測グラフも挿入されております。
*グラフや20項目の理念や提言をここでは載せることは出来ませんが、本を読んでいただければ幸いです。
このグラフは1974年を境に、それまでの[物中心・個人中心]から[物と心・個人と集団の調和]の世界観に変わっていくことが予測されています。これはよくよく考えてみると、とんでもないことだと思います。この曲線の始まりはBC12000年より前であり、そこからゆっくり上昇していき、何百年かの頂点を向かえ、1974年を境に下降に転じています。一方、社会構造はというと、同じ1974年に電子制御技術が成され、それまでの自動化社会から情報化社会に移行していき、2005年に生体制御技術が成され自律社会の到来を予測しています。ですから社会構造は1974年を過ぎても、科学技術の発展は続き、物はどんどん魅力あるものへと変化していき、それまでは個人で魅力ある物を追いかけていれば幸福になれるといったかたちだったのが、今度は物と心とを個人で調和させつつ、集団との調和を計るようにしなければならない、といったかたちになってきました。そんなのは当たり前だと思えるかもしれませんが、思っていてもなかなかうまくいかず、ストレスに押しつぶされそうになっている人も多いのも事実です。昨今の暗いニュースを見るにつけ、社会全体が(歪)ひずんできているようにも思えます。そうなると真っ先に悲鳴を上げてくるのがからだであり、半健康人は増加の一途をたどり、現代医学の常識では対処できないような病んだ状態に陥る人も少なくありません。
橋本先生が「人間悲願の達成へ」を発表する1970年代の半ば頃は、そんな時代の転換期であり、それまでの医療のあり方や施術のやり方では、これからの時代では通用しなくなってくると感じ、予測グラフ通りに2005年には生体制御技術が普及していなければ大変なことになると憂い、「人間悲願の達成へ」と題した理念と提言を発表したのだと思います。
尚、橋本先生が当時見た社会進歩曲線と、現在オムロンがHP上で公開している社会進歩曲線には違いがあり、HPの方は情報化社会と自律社会の間に最適化社会という社会構造が追加されております。ですから以前の社会進歩曲線では、現在はもう自律社会に入っていることになっていますが、最適化社会が追加されたことで、自律社会の到来はもう少し先になっています。しかし、予測グラフは修正すればそれで良いけれども、このストレス社会により、心とからだを病む人の増加は待ってはくれません。「人間悲願の達成へ」の理念、提言に沿った生体制御法つまり自然法則に則った生き方の普及が急務になっております。
「人間悲願の達成へ」と題した20項目の理念や提言の中には、「楽」という言葉は一切使用されておりません。生体のバランス制御に必要なのは「快」なのです。「快」すなわち「気持ちよさ」こそが、生体にとって最小エネルギーで最大の効果をもたらすように働きかけてくれるもので、からだが自らの力で治す、あるいは癒す条件を満たすための大変重要な原動力となっております。
今月の28日(日)は京都・大徳寺にて、自然法則の応用、貢献をすべく東京操体フォーラムin京都が開催されます。今回は「気持ちよさがイマイチよくわからない」という参加者に対し、気持ちよさを体験していただく時間も設けておりますので、どうぞ宜しくお願い致します。

生体の歪みを正す オンデマンド版―橋本敬三論想集

生体の歪みを正す オンデマンド版―橋本敬三論想集

一週間どうも有り難う御座いました。
来週は中谷さんの担当になります。
来週もどうぞ宜しくお願い致します。


友松 誠。


[http://www.tokyo-sotai.com/?p=281:title=東京操体フォーラムin
京都2011]は8月28日(日)に開催されます。北村翰男(奈良漢方治療研究所、奈良操体の会)、三浦寛

[http://www.tokyo-sotai.com/?p=314:title=Sotai Forum
inMadrid]は、9月24日、25日の二日間、マドリードにて開催致します。三浦寛

2011年秋季東京操体フォーラムは11月6日(日)、東京千駄ヶ谷津田ホールにて開催予定です。