今週から福田君にかわり、三浦が担当します。一週間よろしく。
すっかり春めいてきました。朝の日の昇りも早く、寒気もやわらいでいます。
絆と平等
昨年3月の大震災から一年目を迎えようとしている。今に生きる人達に、絆という言葉がよみがえってきた。一人一人「心の絆を大切に」というフレーズが復活した。
いったい、今まで、一人一人がどんな生き方をしてきたのか、豊かさなかで、平和ボケ、総痴呆化の時を過ごしてきたのか。
人と人、心とこころの絆というなら、自分との絆をどうとらえていたのか、とらえていたのかと言うことよりも、自分との絆と言うことを考えたことがあったのか。自分との絆なくして、人と人との絆が、どんなものなのか、わかりようがない。人と人との心の絆というけれど、心ほど浮気なものはない。忘れ気のはげしいものはない。移り気で一時と静止していない。
そのことに、いつまでもかかわっていることが出来ない、時と共に心から消え去っていく、忘れ去られていくものである。今から67年前、日本は焼け野原となり、全人類が体験したことがない原子爆弾を、広島、長崎に投下され、終戦を迎える。おびただしい血が流され、何十万という国民の命を一瞬にうばい去った。
この原爆の投下において、当時の軍部は5時間前に(情報を)キャッチしていた、(テレビ番組)ニュースで知った。
5時間あれば、多くの人の命が助かっているはずであった。いったい何をためらい、執着していたのだろうか
「自分ごとは他人ごと、他人事は知らん顔」
怒りにたえない、ことである。
大正12年(1923年)に東京を襲った関東大震災。何万人もの命が犠牲となり、多くの廃墟をのこし、多くの人生を一瞬にうばっていった。
生き残った人達は、明日の生活に生きなければならない。いたましいことを1日も早く忘れたい。ふりかえる余裕などないのだ。忘れてはいけないこと、であってもふりかえりたくはないのだ。
人の心の多くは、刺激と欲で動く。人の心があっちに向けば、こっちのことは心から消えていく。人の心は、浮草、根なし草、つねに刺激と欲にゆれ動く。静止していることを好まない。