東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

 言葉について 〜俳句より。

 こんにちは。

やわらかな若葉が輝き、その息吹が風にのり、薫ってくる季節となりました。
この風の匂いには、あらゆる生命に分け隔てなく「生きていていいんだよ」と、優しくささやいているような、そんな雰囲気を感じます。気持ちの良い季節ですね。

私の仕事場のまわりは、何日か前まで菜の花が真っ盛りでした。


菜の花や月は東に日は西に
          与謝蕪村


味わい深いですね。五、七、五という型の中で、自分の全身全霊の世界を、言葉でもって最大限に表現する。型は制約とはならず、型があるからこそ、言葉の表現が生きてくる。
この句を読んで、マイナスイメージを持つ人は、そうそう居ないのではないでしょうか。春の光や、これから始まる生命の息吹。読む人によっては、月と日から広大なスケール感を、またそこから、陰・陽に見立て、万物の創生に想いを馳せる人も居ると思います。単に目で見たものごとの感想を伝えるという次元など超越し、目に見えるものを目に見えるようにしている、目に見えないものごとさえも、宿していると感じます。
そして、読む人の感性に訴えかけて、その人の中で世界を創造させ、一つの作品として完成させていく。つまり、作者が自己を主張して作品とするのではなく、読む人によって作品となる。
読む人は同じ時代の、同じ感性をもった人ばかりではない。無駄な言葉をつけるほど、より限定させてしまい、言葉の可能性を狭めてしまう。よりシンプルに、そして、太古から未来に受け継がれる、人間のリズムと同調するように五、七、五の型に納めていく。それが、時代を超え、生活スタイルの異なった人達の中にも響き、その人にとっての最高の作品となるよう、増幅しながら完成していく。
だから、時代を経ても色あせず、言葉が生きたまま、人から人へ宿るようにして、受け継がれているのだと思います。
 操体とも何かつうじるものがあるのではないでしょうか。

今回のブログは、言葉について感じた事や、半月前に行われた春季東京操体フォーラムで感じた事などを書いていこうと思います。
拙い文章表現ですが、一週間どうぞ宜しくお願い致します。


友松 誠。




三浦寛 操体人生46年の集大成 [http://www.sotai-miura.com/?p=484:title="Live
ONLY-ONE 46th Anniversary"]は
2012年7月16日(海の日)に開催致します。

2012年秋季東京操体フォーラムは11月18日(日)津田ホールにて開催決定