東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

謎は益々深まるばかり

前文に続いては『生命を支える栄養の合理的摂取』というタイトルで、食の自然法則について書かれています。

「時間(季節)と空間(地域)の弁証法的約束に則った食養を積めば智・徳・体ともに健全な発達をすると言う。」

ここで取り上げられている弁証論というのは、橋本先生がシベリア抑留時代に触れたと云う唯物弁証論の事だと考えられます。ありとあらゆる物事を陰と陽、プラスとマイナスという相対する性質に分け、陰陽の両面を含んだものを陰陽未分の一なる太極という調和した状態であると解釈してあるようです。ここで取り上げられている食に関しての言葉は大きく分けて三つ、1つは『最高の人間の食は逃げるものを捕らえて食わないこと』つまり動物性の食事を慎み、植物性の食事を心がけなさいということ。そしてもう1つは『人間一日の往復歩行が可能な距離を半径とする圏内の地域に育つ植物をとる』一日で往復どのくらい歩く事が出来るのでしょうか・・・恐らく私が生まれてこのかた一番長く歩いたのが、東京新宿駅京王線の最終電車を乗り過ごしてしまい。調布市飛田給という駅まで歩いたときだと思うのですが、この時夜道を延々歩いてやっとの思いでたどり着いたのですが、今GoogleMapで調べてみたら総距離17,8キロ 所要時間3時間41分 思った程歩いていないということに気がつきました。あの時は東京行ったばっかりで右も左もわからないし、お酒を飲んでほろ酔い気分で軽く千鳥足だし、電車に乗り遅れた精神的な落胆も含めて相当な重圧を感じていたに違いありません。そんな私の過去は良いとして、とにかく人間そんな長い距離を食料を求めて歩き回らないよということが理解していただければ良いと思います。そして最後は、『しかもその時節に応じた植物食をとる事が食の原則ではあるまいか。』旬のものを食べる。初物は縁起が良いだけではなくて健康にも良いのですね。ただ最近ではビニールハウスや品種改良によってどの季節でもスーパーの野菜売り場にはありとあらゆる野菜や果物が並んでいるので旬の野菜を知ること自体が難しくなって来ています。それどころか最近は野菜を畑で育てるのではなく工場の中で水耕栽培で作った野菜まで出て来ているということです。とうとう野菜まで工業製品になってしまいました。しかし身土不二という言葉もありますが、自分自身のからだと、自分が生まれ育った土地の土と云うものは切っても切れない関係でその土地で健康に育った食べものが自分自身のからだを養ってくれる一番の栄養なのです。しかし都会に住んでいると中々徒歩圏内で穫れた野菜を手に入れるということ自体が難しいご時世です。まずはベランダでプランター農業等を始めてみるのも良いかもしれませんね。自分の手で育てた野菜をほんの少しでも食卓に並べてみたら食べものに対しての感謝の気持ちもきっと強く感じられる事ではないでしょうか。先週の佐助さんの様なライフスタイルは都会暮らしの私達(とはいっても私の自宅の近くには田畑は結構ありますが・・・)にとってとても贅沢な環境と呼べるのかもしれません。

大きく成長しすぎてしまった我が家のサニーレタス。でも太陽の恵みに感謝!


三浦寛 操体人生46年の集大成 "操体マンダラ Live ONLY-ONE 46th Anniversary"は2012年7月16日(海の日)に開催致します。

2012年秋季東京操体フォーラムは11月18日(日)津田ホールにて開催決定