東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

からだの設計にミスはない

 三日目です。よろしくお願いします。
 からだの設計にはミスはないのです!昨日も書きましたが、からだの使い方・動かし方である身体運動の法則があり、ます。この身体運動の法則を逸脱したからだの使い方・動かし方をしているからこそ、故障していくのだと思います。
 からだを横に倒す体幹側屈の動きひとつとっても、皆さんは左側屈の際に右足と左足のどちらに重心がのりますか?腰痛を長期にかかえている方の多くは、体幹左側屈をすると左足に重心がかかっている場合を見かけます。「腰の痛みをとってくれ」と来院されますが、日常のからだの使い方・動かし方が不自然な状態では、なかなか改善がみられなく、腰痛が慢性化として扱われるのも納得できます。
 実際に側屈した状態でレントゲン撮影してみると、明らかに違いがわかると思います。
 左側屈の際に左足に重心がのる場合の不自然な動きです。

 腰椎中心で側屈の動きが起きているのがわかると思います。
 左側屈の際に重心が移動して、右足に重心がのる理に適った動きです。

 重心の移動により、腰椎でなく胸椎の動きが中心となります。
レントゲンからもわかるように、からだの使い方・動かし方ひとつで腰椎のストレスが変わってしまうのです。不自然な使い方・動かし方では、腰椎椎間関節にストレスが加われば分離症になる可能性が示唆されます。また、前方にかかる場合は、いくら椎間板に衝撃吸収機能があるといっても、加齢などの要因によって髄核内のプロテオグリカンが減少した状態で、軸圧力によって椎間板内圧が上昇すると線維輪の損傷が生じると、椎間板性の腰痛が生じ、髄核が突出すると椎間板ヘルニアと診断されることが示唆されます。
 腰痛の根本的な改善には、腰椎にかかるストレスを減らすことが大切であることが考えられるため、からだの使い方・動かし方が理に適った状態になれば、解決への近道となるはずです。
からだの設計にはミスはないのですから、自分のからだの使い方・動かし方で歪みの有無に変化が生じるとしたら、皆さんはどうしますか?
 からだの使い方・動かし方を詳細に説いているのが身体運動の法則だからこそ、身体運動の法則をもっと多くの人に学んでほしいなと思います。
 今日はこのあたりで・・・ありがとうございました。