東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

ダークマター

私がここ最近、見えないものへの理解をより深めたいという
思いから学んでいるものの代表が、昨年から勉強し始めた
九星気学です。

もっとも、諸先輩方の様に真剣に取り組んでいる方々と違い、
至ってマイペース、操体との類似点を愉しみ、味わいつつの
ながら勉学なので、本格的に鑑定を依頼される場合や相談関係は、
私が師事させて戴いている山口先生に全て振っているので、
やはり餅は餅屋、付け焼き刃はろくなことにならないので、お手柔らかに
ご勘弁です。

この私が学ばせて戴いている「気学」の正式名称は九星気学
と言い、歴史は気が遠くなるほど古く5000年前の中国に迄遡ります。
中国三皇の一人に数えられている伝説の人、伏儀によって気学の原型
が出来、そこから約3000年前の周の時代に完成したと言われています。

元々、気学の考え方のベースは孔子の基本的思想であり、儒教思想
根幹がそこにはあります。気学、或いは易学も基本概念は『気(Energy)』
です。
まさに目に見えない不可視なものが、気学の根底にはあるのです。

ですから、とかく気学と聞くと、半数以上の方が訝しげな顔をするか、半笑いで、
「え?で何占ってくれるの?」とか「え?大殺界、天中殺?細木系?」などと妙な
リアクションをとってくれるのです。

そもそも、この『気』という概念も、不可視なるものの代表格であり、
我々臨床家の間ではご近所にあるものが如く、日常会話に出て来るもの
ですが、一般の方にとっては摩訶不思議な世界だと思います。

しかし、『気』って書くと微妙ですが、英語で表記すると、『Life Force』
直訳すると、『生命力』になるわけです。
『生命力』って何も人間“個”のみに当てはまるものではなく、自然界の生命力もあれば、
町民、市民、県民など集団における生命力など、更に大きく日本国の国としての生命力、
ひいては地球そのものの生命力もあるのです。

そう考えると、我々は好むと好まざるに関係なく、地球を取り巻く大いなる生命力の中で
活かされているのです。

目に見えないものなんて〜って言う人に問いたいのは、最近の様々な物質研究の中で、
宇宙が何で構成されているかを調べてみると、我々が知っている、陽子や中性子など
”目に見える”(観測されている)物質宇宙全体の約4%に過ぎないということが分かっています。

その5〜6倍は未知の物質(ダークマターが占めていると考えられています。更にその残りは
ダークエネルギーと呼ばれている正体不明のものです。

これまで観測に利用されてきたのは、光やX線、赤外線などの電磁波ですが、”暗黒”物質というのは、
電磁波での観測では見ることができないため、”暗黒(ダーク)”という呼び名がついているのだそうです。

小柴昌俊氏がノーベル賞を受賞されたニュートリノの検出にしても、まさにこのダークマターの一部であり、
目に見えない物質の研究に今、世界の科学者達は躍起になっているのです。

そう考えると、全てを知っているかのような我々人間が知っているものは宇宙全体の重さ4%でしかなく、
残り96%は何だか分からないもの、不可視な物質で満たされているということです。

我々人間は不可視な96%のものに包まれ、何かに突き動かされるように日々生活し、就業し、子を育み、
生きているわけです。その意思はどこから来るのでしょうか?心?それとも脳から?

自分の意思で生活し、動いていると思っている私たちは実はダークマターの作用により動機付けられ、
生きていくようにプログラムされているのかもしれないのです。
それら不可視なる意識や感覚を先人達は『気』と表現し、体系化したのがまさに『気学』なのです。

2013年4月28日 東京千駄ヶ谷津田ホールにて
春季東京操体フォーラムを開催致します。