東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

〜続けるためには(6)

 「鉄は熱いうちに打て」
ということわざがあります。
 「鉄は熱してやわらかいうちには、打っていろいろな形にできることからいう。
人間も、純粋な心を失わず、若く柔軟性のあるうちに心身を鍛えることが大事である。
また、物事をなすときにも、熱意が盛り上がっているうちに実行することが大事であるということ。」
という意味があります。(故事ことわざ辞典より)
熱意があるうちに取り組んだほうが良いという意味があることは知っていましたが、
若いうちに取り組んだほうが良いという意味もあったんですね。
それこそ、若いうちに「これは!」と思えるものに出会えるということは
ありがたいことなんですね。

 昨日はモチベーションを越えたところになにやら秘密がありそうだと書きましたが、
やはり初期においてはこのモチベーションというものは必要になってくると思います。
ロックなどでいうところの初期衝動とは「自分の原点、沸きあがってくる想い、感覚」。
この初期の新鮮な気持ちをいかに維持していくか、そこから習慣化していけるか。
習慣化といっても惰性になってしまっては元も子もないのですが。

■只今の感覚を大事にする
 惰性にならないためには、今それに取り組んでいる自分はどんな感覚なんだろうと、
常に確認してみることが大事です。
例えば、続けているうちに「できるようになった」というときの嬉しい感覚。
「うまくできない」ときの悔しい感覚。
その感覚を自覚し、じゃあ、そこからどうするかと思案してみる。
何かを始め、何かを続けるということは自分と向き合い続けることだと思います。

キング・カズ
 先日、「なぜ、キング・カズは走り続けられるのか?」といった記事が
ネットに載っていました。

 キングといえばカズダンス。よく真似したもんです(笑)
バスケが本道でしたが、キャプテン翼で育ってきましたから、サッカーもよく
観てました。1993年にJリーグが開幕し、Jリーグチップスを買いあさり、選手カードを
集め、ビックリマンシールさながらにみんなで見せ合っていました。
そこら中から「オ〜レ〜、オレオレオレ♪」と流れてきて、休み時間はみんなでサッカーに
興じ…おっと、話しを元に戻します。

 カズ選手が46歳という年齢で何故、現役を続けられているかというと
自分の身体を客観視できる「内観力」なるものを持っているから。
「内観力」とはコーチに言われるがままにトレーニングをするのではなく、
自分の身体と向き合い、自分の感覚を大事にしながら、
「こうすれば、もっと上手くなるんじゃないか」と自ら工夫する力だそうです。
現役を続けていく中で素直に自分の向上を信じ、厳しいトレーニングを淡々とこなす。
この「プロ意識」の高さがカズ選手をキングたらしめている由縁かもしれません。

 「感覚する」ということは操体の専売特許。頭で考えずに素直にからだで
ききわけてみる。感覚しないということは自分に対して、イノチに対して無関心で
あるとも言えるわけです。 
経験上、自分のやっていることに対して無関心になってくると続かないんですよね…
「これは!」と思うものに巡り会えたら
・初期衝動を時々、思い返してみる。
・取り組んでいるときは自分の感覚と向き合ってみる。

 鉄がさめないうちに

 
 今日はこのへんで。
お付き合い、ありがとうございます。