東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

〜続けるためには(5)

 今日は「終戦の日」です。
この時期は、追悼行事が開催されたり、戦争を題材にしたドラマ、映画などが
放映され、実際に戦争体験をしたことがない世代にも「他人事ではない」
という心境にさせられます。
また、戦争を体験された方々の「生の声」を直接うかがうことができれば
いっそうその想いが強まってくるのですが、
最近では戦争体験者の方々が高齢になってきているということで、直接お話しを
うかがう機会が減ってきているそうなんです。

 私の祖父母も父方の祖母を除けばみな他界してしまいました。
私は父方の祖母によくなついていましたから、今でも時々会話を愉しみます。
つい先日も電話で盛り上がり、小一時間ほど話していましたが、
話題は終戦当時にまでさかのぼりました。私の祖母は終戦を迎えた時、秋田におり、
女学校を卒業したくらいだったといいます(確か16、7歳くらい)。

 終戦間際の8月14日から15日にかけ秋田の土崎港をターゲットにした「土崎空襲」がありました。
秋田には油田があり土崎港の周辺に製油所があったために狙われたそうです。
当時、祖母の住まいは土崎から6km範囲のところのあり、空襲警報が出たときには、
マンホールの下で家族と過ごしていました。爆弾は直撃はしませんでしたが、
「おっがねがったぁ」と身が縮む思いだったそうです。
しかも、その時は雨が降っており、マンホールの下にいたために、布団などが川に流されたとのこと。
笑って話してくれましたが、当時は生きるか、死ぬかの瀬戸際だったかと思うと
自然と「生きててくれて本当にありがとう」という気持ちになりました。

 実際に体験された方々の「生の声」を聞くということは体験していない世代に
「二度と戦争を繰り返してはいけない」と警鐘を鳴らす働きが大いにあるのではないでしょうか。

■受け継ぐということ
 
 私は直接橋本先生にお会いしたことはありません。
しかし、愛弟子である三浦先生から当時の貴重なお話を伺えることがあります。
三浦先生は講習や操体マンダラを通して、橋本先生が成してきたこと、弟子に託したことを話してくださいます。
実際にお会いしたことがなくても、三浦先生を通じ、橋本先生のメッセージを受け取ることができます。

 メッセージを受け取ることは学びを続けるうえで、とても大事なことだと思います。

 何かを続けるうえで、モチベーションが大事であるとよく耳にします。大抵は
「これができるようになりたい」、「これを身につけて私はこうなりたい」といった願望であったり、
「身につける喜びや楽しみ」といった「学習そのもの」がモチベーションになったりします。
しかし、学び続けているうちに別の面白さが顔を出してくることがあります。
それは「学んでいるもののメッセージにきづく」ということです。

 自分の意志を越えた何かが「学び続けること」を自分に課す。
モチベーションという言葉よりも摂理という言葉のほうがしっくりくるような…

 それがわかるまで続けていく必要がありそうですね。 
はい、あまちゃんの私が噛み砕けるようになるのはまだまだ先になりそうです。

 今日はこのへんで。
お付き合い、ありがとうございます。