東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

介助/補助

講習で師の第二分析の動診/操法を受けている際、「植物の動き」のようなイメージが想起されることがある。
「芽が天に向かって成長し、つぼみから花が開く」
「タケノコがスーっと伸びていく」
「蔓が支柱に巻き付いていく」

日常の意識感覚では、捉えきれないほのかな変化の積み重ね。幾日かビデオカメラをまわして動画を撮影し、それを高速再生することで一連の流れを見ることができる様な、そんな植物の動き。

動物である人間の動きの中にこういった「植物的」な動きが内包されている不思議。そんなイメージを味わっている時は、「からだのうごきはじめ」から動きの充実感、安定感に包まれていて、思考もおさまり静かな時間の中にいる。
「充実感、安定感」という感覚の「質」にも幅が在る。そこに大きく影響するのは操者の「介助/補助」の質だと思う。

しかし、植物は生きている中で、誰からも「介助/補助」を受けていないように見える。いや見えていない、認識できていないだけで、何らかの「介助/補助」を受けているのだろうか。もしそうだとするならば、その本質はなんなのだろうか。

今、学ばせていただいている操体の学びは、「介助/補助」のかけ方、与え方ひとつとってもは、こういった生命の神秘に触れるようなことまで及んでいるように感じる。長年の吟味を重ねて育まれてきた、言わば操体の極意の数々。そんな原始感覚、生命感覚の学びを味わうほどに、何とも言えず有り難い気持ちに包まれる。これは操体の醍醐味だと思う。

もしかしたら、植物が太陽の下で味わっている「安定感、充実感」というものを人間が味わうことも出来るかもしれない。いや、実際すでにそれに近い様な感覚を、講習の中で、師の臨生を通して実感させていただいていた。
誰もがそういった「包まれている感覚」を、いまこのときに味わうことができると感じる。ただ日常の生活において、なかなかその大切なことに意識が向けられないだけで。
「介助/補助」を学び、通していくなかで、そのことに気付くきっかけのようなものに触れられたらと思っている。