先日、産婦人科の医師講演を拝聴してきました。
ざっくばらんな質問にも丁寧に答えて頂きながら、疑問も晴れつつ、
、生命とは何か?細胞とは何か?では病態変化とは一体、何が基準
となり、何をもって健康体と隔てるのか・・・等々、興味深いテーマを
頂いて参りました。現代医学の学びも本当に有り難いことですね。
さて、そのDr.が最後に語られた内容で、これも「操体」の器に入れて、
是非生かしていきたい・・と感じたことが二つあります。
その一つは、今、育児系女性誌で何かと話題となっている赤ちゃん
向けの「ベビーマッサージ」です。
それを、雑誌に紹介しているからやってみようかな?という気軽な
発想で施した場合に、果たして”危害を加えることなく”、効果的
に行えるか等の基準が満たされていない為に、なんとかして欲しい
という話でした。
確かに赤ちゃんに行う方法としては、勿論”害のないこと”が大切
だとしても、”やり方を書いてある”通りにしても、後から具合が
悪くなるケースも、”全く無い”とはいえませんからね。
鍼灸では小児鍼という刺さない鍼があります。
これは背中やお腹を鍼で撫でつつ、皮膚の経絡を調えるのです。
ポイントは赤ちゃんや幼児に特有の"未熟な経絡"の調整にあるので、
いくつかのポイントを踏まえれば、母親にもできるのです。
そして、脇を"くすぐり"からだの歪みを調える、橋本敬三師オスス
メの赤ちゃん向けの操体法がありますから、これを含めて発信でき
たら良いのではないでしょうか。
もう一つは、医療のチームワークについて。
昔は医師が中心になって、医師の周囲を専門的医療スタッフが支え
つつ、患者さんや家族に向けているようなチームワークでした。
それが今は、患者さん家族を中心とした円に、医師を含めた医療ス
タッフが支えているようなチームワークになっているようです。
その現実を踏まえ、更なる未来を語ってくれたのです。
(注:この語りは、テープ起こしでなく当時メモ&記憶文です)
〜私はまず、産科の看護師となりまして臨床経験を積んでいたので
すが、法律上男性助産師にはどうしてもなることが出来ません。
なので、修士課程から医学部に入りなおし、現在は医師になった
ので、看護師という立場から医師をみていたので、自分が医師に
なっても、看護師であった時の立場がわかります。
患者さんは、看護師であった私に様々な相談や雑談まで気軽に話
してくれたのですが、医師になった途端(患者側に)そこまでの
気軽な相談をされることは少なくなってしまいました。
先ほど話したように、日本の場合は医師を中心とした医療チーム
を組んでいた時代が長かったからかもしれません。
ですが、それでは"間に合っていない"ことも多く、そもそも医師
の出来ることは処置であって、処置が必要となる段階の前におい
ても万能ではありません。
特に、なにかと遠慮してしまうような患者さんの発する、細かな
"サイン"を見逃してしまうことも少なくありませんので、私の考
えている本来あるべき姿の"医療チームワーク"とは、このような
スタイルなのです。
(ここでボードに同じ円の中に、位置は関係なく医師を提示)
つまり、患者さんにも医療チームに入って頂き、医師や看護師も、
PTも薬剤師も、臨床検査技師も、患者さんの家族も入って頂く
のですが、大切なことは"病院に罹る前”に患者さん達が相談する
であろう先生方が(この場合は鍼灸マッサージ師でした)チームに
参加して頂くことこそ必要なのです」
・・・引用文が長くなりましたが、ワタシ自身には「未病を治す」こと
つまり、患者と患者の「からだ」でチーム、そして現代医学のチーム、
そして、病院にかかる前のメンテナンスが可能な民間医療チームは、
同じ舞台で、それぞれに出来る役割を果たしていくチームワーク。
これからの社会医療チームワークは、ワタシ達自身の「からだ」に
とっても理想的な調和、つまり、原子が分子、分子が細胞に、細胞
は組織に、組織は個体に、個体は社会に、社会は調和という循環で
橋本敬三師が理想像として提唱されていた医療における完成に向け
て結れていくのではないか、と想っているのです。
橋本敬三師も将来的には、現代医学の進歩と日本漢方の結合による、
西洋医学の盲点となる"ボディーの歪み"と、"症状・疾患"との関連
性も解明されることを期待していたようです。
その為に、自然法則とはなにか?イノチの要求する意志とはなにか。
一歩一歩進んでいきながら、ウソかホントか確かめつつ、自己満足
に終わることなく、真理の追究に必要な経験をお互いにシェアして、
近くにいようと、遠くにいようと、出来そうなことからやってみる。
三浦理事長は、以前ワタシ自身にこう語ってくれました。
「真理が真理の力として立てるように、コツコツ学びなさい」と。
ですから、電話の向こうにいるクライアントの姿をイメージして繋
がりを体感し、体感したら言葉かけ(注:操体用語=表現指導する意)
で、「からだ」に感覚をききわけてもらいながら、一つ一つの表現に
”痛みの感覚”に必ず混同されている「快感覚」をききわけていく
介助(=お手伝い)を行って、共有感覚がズレていないか尋ねれば、
だれでも到達できるのが、操体での触れない治療の第一歩です。
その勇気ある一歩は、確実に化学的変化をおこして細胞の持つ可能
性を「からだの意志」を個体である個人にフィードバックして、操者
と患者もなく、三位一体の調和を生み、愛によりお互いに引き合う。
- 作者: 橋本敬三
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 2010/08/25
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 25回
- この商品を含むブログ (8件) を見る
人間誰しも、できればトップに立ちたがる。トップを判定するのは
他人の自由。トップに立てれば嬉しいし、有り難いに違いない。
しかし、とにかく威張りたがる。これが危い。威張ったら最後無間
地獄に堕ちかねない。そこで懺悔が救いになる。讃仰俱衆生ができ
たら最高の幸福では無いか。
自分も恩恵の内にある衆生の一微分子に過ぎないのだから。
では、一週間のお付き合いありがとうございます。
明日からは、日下実行委員の登場ですね、お愉しみに!
「2014年秋季東京操体フォーラム」 開催決定
今回は11月22日(土)23日(日)の二日間開催いたします。
メインテーマは「操体進化論」です。
特に、22日は場所の都合上、人数が限られておりますので
ご参加希望の場合はお早めにお申し込み下さい。
詳細は以下、「東京操体フォーラムHP」をご確認ください。
http://www.tokyo-sotai.com/?p=813