東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

営みの成績表

生前の橋本敬三先生には一度もお会いしたことはありませんが

書き残していただいた言葉を通して

お会いしているような感覚になることがあります。

 

「生体の歪みを正す(創元社)」という厚みのある論想集を

何気なく開いてみると

そのなかにこんなことが書いてありました。

 

絶対完全健康正体はあくまで理想像であって、自然法則への随順の程度にしたがって、より正体に、より健康に、すなわち、より幸福に近づきうる。しかし、人間は自然法則に背反する自由も与えられている。背反すれば歪体化する。これは現象界における因果応報の自然法則である。自然法則ほど恐るべきものはない。

 

「生体の歪みを正す p440『恐るべきは”自然法則”』より」

 

 『しかし、人間は自然法則に背反する自由も与えられている』

 

こういった橋本哲学が濃縮されている一言に

わたしはシビレます(笑)

 

その与えられている自由のなかで

育まれる自身の健康度のことを

橋本先生は「営みの成績表」と

説明しています。

 

学校でもらう「成績表」というのは

年に何度か自分の元にやってくるもので

場合によっては、目をつぶりたくなるようなこともあります。

 

「営みの成績表」も同じように

放っといていると「からだ」から

年に何度か、目をつぶりたくなるような成績表をもらうことになる(笑)

 

「営みの成績表」には特徴があって

学校でもらう成績表とは違い

確認しようと思えば、いつでも確認することができます。

 

自分自身のこころとからだが

いま、どんな感じなのか。

そういうことに少しでも意識を向けることだって、その一歩。

 

日々、この成績表をチェックできるということも

人間に与えられている自由なのではないかと思います。