東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

感性 > 知性と知識。

おはようございます。

 

愉しい時、嬉しい時というのは、脳内にドーパミンが分泌されているようです。ドーパミンは報酬系の神経伝達物質ですから、何かを達成したときや満足感によって分泌され、快感をさそうようです。ですから人間が創造性を発揮することに於いて大変重要な役割をしています。また近年では、ドーパミンが分泌された時、その直前に行っていた能力が強化されるという事が実証されているようです。

 

ドーパミンは、幼児など小さな子供ほど分泌量が多いと言いますが、これから成長する過程において、からだをとおして様々なものを吸収して知識とし、そこから考えたり判断する能力である知性を育てていくには、分泌量が多いというのも頷けます。

この観点からみても、土台はからだをとおしての感性なのですね。幼児は自然に、当然のようにからだをとおして、悦び、感動し、愉しみながら学習しているのです。

 

三つ子の魂百までとか言いますが、幼児に限らず感性を土台とした知識や知性といったものは記憶に残りやすいと感じます。しかし、本を読んだだけとかの場合は忘れるのが早いと思います。知識だけ詰め込もうとしても、なかなか上手くいかないのは経験上誰もが知っていると思います。だから書き写して覚えようとしたりするのでしょうね。

 

写本なども時間はかかりますが、感性とともにからだが文字を書いているので、記憶に残る知識としやすいのだと思います。そして、その感性を更に高めるには、書いた著作者本人に会うことでしょうね。著作者が故人であれば、一番身近に居た当時の状況を知る人に会って話を聞くことだと思います。

そうすれば、文章に共感しやすくなり、感性が高まることによって、記憶に留まりやすくなり、それが知識となる。その知識は知性も高め、知性はその知識を要所要所で引き出してくれるようになる。それが和を生み、調和による善い循環となり、そんな中で創造性も発揮されるのだと思います。

 

操体の学びも、本を読んだだけでは、なかなかその意味するところが解りづらい面があると思います。また、症状疾患に対しての治療法の知識が多いほど、操体法の効果の高さは知っていても、なぜ効果が高いのかが、今までの知識によって解りづらくなっている面があると思います。

活字になっているものの土台には、多くの活字では表現できないものが在ります。そして活字では表現できないものの中に、活字を活字(活かす字)たらしめる真の理解につうじるものがあります。活字では表現できないものを感じ、真の理解とするには、書いた人の生の声を聞き、その想いに触れるのが一番です。

 

操体のスーパーバイザーとして数々の著書があり、現役の操体臨床家である三浦寛先生。三浦先生は、操体創始者、橋本敬三先生の一番近くで、一番長く操体を学んだ高弟でもあります。

三浦先生は臨床や講習(新創生期操体法特別臨床講座)を精力的に行っていますが、勿論、今度の秋季東京操体フォーラムでも講演していただきます。ぜひ、生の声を聞き、その操体への想いに感性で触れてみて下さい。

 

2016年11月23日(水)勤労感謝の日

秋季東京操体フォーラム開催!

今季のテーマは「膝と進化した操体」です