おはようございます。
夜に見る月も、冬の寒く張り詰めた空気の中で見る白い月とは違い、なにか朧気。
この朧な月も、週の始まりの頃は満月でしたが、日が経つにつれて欠けていき、週の後半になってくると半分近くが欠けてきてしまいました。
「花は盛りに、月は隈なきをのみ、見るものかは」
吉田兼好の徒然草からですが、目で見ただけの美しさだけでなく、自分自身の心情も含めた美しさ。日本には古来より不足の美とか未完成の美といった美学があったようです。
建築物なども完璧に仕上げないで、わざと板を折ったりとか、絵画などでも余白の使い方にこだわったりとか。
完璧に仕上げて「どうだっ」とばかりに見せつけるのではなく、見る人の心情や感性、創造力が加わって一つの作品として仕上がる。
つくり手のアプローチにはメッセージが込められ、見る側はそのメッセージを受け取り、自分自身のなかで作品は仕上がっていく。
人間だって、個としての完璧ばかりを求めていると、しっぺ返しをくうと思います。様々な環境の中で生かされて生きているのですものね。
間に合っていればよいという、心の豊かさが大切。
誰だって長所もあれば短所もあります。ある面では完璧に見えても、違う面ではどうしょうもなかったり。あらゆる面で完全、完璧なんてありえない。
不足面があっていい。その不足面は伸びしろであり、あらゆる可能性を秘めている。
その可能性は調和への可能性であり、自然環境を元とした様々な環境と、適応しての自分自身。
間に合っていれば善い。間に合うなかで醸し出される美しさ、可愛さ、面子さ。
2017春季東京操体フォーラム4月29日(昭和の日)に開催します!